岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

theater somewhere

休日の朝、家族揃って映画を観る…そんな街の映画館

2020年02月19日

笠間ポレポレホール(茨城県)

【住所】茨城県笠間市赤坂8 笠間ショッピングセンター2F
【電話】0296-70-1753
【座席】スクリーンA:92席 スクリーンB:68席

 12月初旬の早朝。上野からJR常磐線に乗って水戸線に乗り換える友部駅のホームは凍てつく寒さだった。友部駅から2駅のところにある笠間駅は、笠間焼の生産地として知られる人口8万人の茨城県中部に位置する小さな城下町だ。また、日本三大稲荷に数えられる笠間稲荷神社の鳥居前町でもあり、年間350万人以上の参拝客が訪れるという。高齢化が進み、人口の減少に歯止めが利かないという問題を抱えながらも、街を挙げて観光に力を入れており、イベント好きという気質がある笠間市民は、もの作り体験やバーベキューといった参加型のイベントを随時開催しており、県外から多くの人々が訪れている。「秋の陶器市」と「笠間の菊祭り」というビッグイベントが終わると師走の参道は土曜日にも関わらず人影もまばらで、ゆっくりと参道沿いの味わい深い茶屋や仲見世を見て回り、細かく切った蕎麦を稲荷で包んだ「蕎麦いなり」という名物も堪能する事ができた。

 更にそこから10分ほど歩くと、街の中心を流れる涸沼川沿いに、ショッピングセンターの「ポレポレシティ」がある。スワヒリ語で「ゆっくりのんびり暮らそう」という意味を持つ「ポレポレ」は、約600通の応募者の中から選ばれた名前だ。その2階にあるのが、平成10年4月にオープンした映画館「笠間ポレポレホール」。それまで商店街といえば、笠間稲荷神社の参道だけだったので、オープン当日には多くの市民が列を作ったという。

 現在も休日になると、チケット窓口には年輩のご夫婦や親子だけではなく、お孫さんを連れ立って3世代の大家族で来場する姿がよく見られる。約20年前のオープン当時は周辺に何も無い単独商圏だったが、ここ数年で近隣に大型のシネコンが設立。そこで上映作品とターゲットを絞り、邦画専門でシニアの方とお子さんに喜んでもらえる映画館というのを打ち出した。買い物に来店された地元の人に映画も楽しんでもらえる地域密着型の映画館として、上映作品も子供向けのアニメと、年輩層向けの喜劇やミステリーを中心に構成されており、特に年輩のお客様には『殿、利息でござる!』や『超高速!参勤交代』といったお笑いの要素が入った作品の人気が高く、他にも吉永小百合の主演作ともなると、男女問わず多くの入場者で賑わうそうだ。

 大きな窓から自然光が降り注ぐ比較的広めのロビーで入場までゆったりとくつろいだり、ポップコーンを購入したり、それぞれが待ち時間を過ごす。赤と青に色分けされた場内はスタジアム形式で、小さなお子さんも観やすいと定評がある。地元の人たちが集まるショッピングセンターにある小さな映画館だからこそ、観客とスタッフの距離が近いのも特長だ。例えば、お母さんが買い物をしている間、小さいお子さんを預けて映画を観せるには、受付のスタッフが目の届くちょうど良い広さなのだ。開場の案内を告げるとワイワイ言いながらお菓子と飲み物を買い込んで入場する人たちの姿を見ているだけで、思わず顔が綻んでしまった。


出典:映画館専門サイト「港町キネマ通り」
取材:2017年12月

笠間ポレポレホールのホームページはこちら
http://pole2hall.jp/

語り手:大屋尚浩

平成12年から始めた映画館専門サイト「港町キネマ通り」にて全国の映画館を紹介している。自ら現地に赴き、取材から制作まで全て単独で行う傍ら、平行して日本映画専門サイト「日本映画劇場」も運営する。

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語り手:大屋尚浩

平成12年から始めた映画館専門サイト「港町キネマ通り」にて全国の映画館を紹介している。自ら現地に赴き、取材から制作まで全て単独で行う傍ら、平行して日本映画専門サイト「日本映画劇場」も運営する。

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