岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

theater somewhere

城下町にある映画館は幅広い年代から支持されている

2020年02月05日

福知山シネマ(京都府)

【住所】京都府福知山市東中ノ町28-1
【電話】0773-23-1249
【座席】CINEMA1:134席 CINEMA2:120席 CINEMA3:66席

 京都北部に位置する福知山市は、昔から北近畿地方における交通の要所だった。市街からは明智光秀が築いた福知山城を臨み、昭和初期は商業の街として栄えたという。駅を出てお城通りを越えて駅正面通りを真っ直ぐ歩くこと15分。明智光秀を祀る御霊神社と、かつて街の中心地で、数多くの町屋や料亭が軒を連ねていた広小路通りがある。この通りも最近では民家を利用したお洒落なカフェが建ち並び、昔ながらの旅館や小料理屋と混在する新しい街が形成されてきた。

 そんな通りに、ひと際大きな建物として目を引く2007年創業の映画館「福知山シネマ」がある。前の歩道には郷土芸能ドッコイセを踊る少女の像が立っているのが印象的だ。ポスターと近日公開の告知物が所狭しと貼られたエントランスから、2階に上がるとチケット窓口がある作りは、昔ながらの映画館の雰囲気を漂わせている。広いロビーを挟んで、それぞれレッドとグリーンを基調としたふたつの劇場は、ワンスロープの場内の天井が高く、ドリンクホルダーは肘掛けではなく前の席の背もたれに付いているのが面白い。また、以前は喫茶店だった場所を映画館でイベントができるスペースに改装して、写真展やポケモン公開時には子供たちの塗り絵展を開催したり、市内にある福知山淑徳高校の学生たちがカフェを開くなど、市民との交流の場に使われている。

 前身の「福知山第一映画」がオープンした最盛期には市内に3館から4館あった映画館も斜陽期に次々と閉館。昭和50年代後半には、映画館はここだけとなってしまった。そんな状況でも昭和61年に「福知山スカラ座」を新設して東宝邦画系と洋画系を上映したのだから凄い。平成18年2月にしばらく休館するが、シマフィルム(株)が経営を引き継ぎ、1年後に「福知山シネマ」としてリニューアルオープンする。現在、ふたつのスクリーンでは『ドラえもん』や『名探偵コナン』といった子供向けアニメと、人間ドラマやアート系アニメなどを両軸にしており、子供からお年寄りまで幅広いファンが訪れている。

 映画館の隣にある「まちのば」は、1階がライブや上映を行える35mm映写機を完備するコミュニティスペース、2階が常時約3000冊を扱うブックカフェとなっている文化・芸術の交流スクエアである。そもそも交通の要所である福知山は若者が多い街で、豊岡や京丹後といった遠方からも来られているという。また、「まちのば」のおかげで映画館離れしていた学生たちに映画に興味を抱いてもらえるキッカケになっているそうだ。ブックカフェにはブックキュレーターという肩書きを持つ店長が選んだ本が揃えられている、言うならば古本のセレクトショップだ。店内で飲み物を注文すれば、開店から閉店まで珈琲1杯でこれらの本を自由に読む事ができる。何を読むか迷ったら、好きな作家や時代を言えば、関連した本を推薦してくれるのも助かる。天気の良い日は、飲み物を持って屋上ガーデンがオススメだ。ウッドデッキのテラス席からは街が一望できて、遠くには福知山城を臨む最高の眺望を満喫できる。


出典:映画館専門サイト「港町キネマ通り」
取材:2016年6月

福知山シネマのホームページはこちら
http://www.fukuchiyama-cinema.com/index.html

語り手:大屋尚浩

平成12年から始めた映画館専門サイト「港町キネマ通り」にて全国の映画館を紹介している。自ら現地に赴き、取材から制作まで全て単独で行う傍ら、平行して日本映画専門サイト「日本映画劇場」も運営する。

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語り手:大屋尚浩

平成12年から始めた映画館専門サイト「港町キネマ通り」にて全国の映画館を紹介している。自ら現地に赴き、取材から制作まで全て単独で行う傍ら、平行して日本映画専門サイト「日本映画劇場」も運営する。

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