岐阜新聞 映画部

映画にまつわるエトセトラ

Rare film pickup

CINEX映画塾トークイベントで、映画を10倍楽しもう

2023年06月01日

CINEX映画塾トークイベントの楽しみ

© 2023 FANTASIA

© 2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会

CINEX映画塾トークイベントは、6月3日の『せかいのおきく』の阪本順治監督で73回目を迎えた。6月17日には第74回『エゴイスト』の松永大司監督も控えている。

東海地区でも舞台挨拶は珍しくないが、45分のトークショーはそんなに多くはない。名だたる映画監督や脚本家、プロデューサー、そして俳優さんまでもが、名古屋からJRの在来線に乗って岐阜柳ケ瀬まで来ていただき、いまさっきみんなで一緒に観た映画の狙いや制作秘話などを語っていただける。質問コーナーもあり、映画の中の方と一体感が味わえる、映画を10倍楽しめるイベントとなっている。

私が初めて参加したのは、2016年5月28日開催の第4回からで篠田正浩監督のトークショーだ。監督の柳ケ瀬の映画館の思い出は、当時をよく知る同級生の方もいらっしゃり、岐阜ならではのお話で大いに盛り上がった。

その後のトークイベントには9割がた参加しているが、MCを務める映画部部長の博識もあり、単なるインタビューでなく、映画を知っているものならではの的確で突っ込んだ質問が繰り出され、時には東京では言えないような裏話も披露されるなど、実に面白いトークショーとなっている。

例えば『淵に立つ』『海を駆ける』『よこがお』『本気のしるし』『LOVE LIFE』と、公開の都度来ていただける深田晃司監督は、映画のテーマや狙いについていつも誠実に語っていただけるし、パワハラ問題についても真摯に答えていただけた。

『決算!忠臣蔵』の中村義洋監督や、『無頼』の井筒和幸監督は、きわどいオフレコトークで「ここだけの話」の秘密の共有が愉快だった。

驚いたのは『愛がなんだ』の時の今泉力哉監督の回。たまたま日本に帰ってきていたアメリカ在住の映画評論家・町山智浩さんが、今泉監督に会いたくて飛び入りで参加。CINEXの舞台上が初対面で、その後自身のラジオ番組でこのことに触れ、著書でも『愛がなんだ』を取り上げたのだ。

俳優陣も、『斬、』の池松壮亮さん、『よこがお』の筒井真理子さん、『本気のしるし』の北村有起哉さん、『わたし達はおとな』の木竜麻衣さん、『銀平町シネマブルース』の小出恵介さんと宇野翔平さんなど特に印象に残っているが、みんな肩の力を抜いて気さくにトークをしていただいた。

阪本順治監督と松永大司監督のトークショー、何を語っていただけるのか楽しみでいっぱいだ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

© 2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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