岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

theater somewhere

映画で街を発展させたい!地元の人たちと共に歩む映画館

2019年03月13日

彦根ビバシティシネマ(滋賀県)

【住所】滋賀県彦根市竹ヶ鼻町43-1 ビバシティ彦根3F
【電話】0749-26-1002
【座席】シネマ1:106席 シネマ2:110席 シネマ3:131席 シネマ4:208席

 自らの知恵と力で大空に羽ばたきたいという夢に、多くの人たちが自作人力飛行機で挑戦し続ける「鳥人間コンテスト」。その開催地となる琵琶湖畔の街・彦根市は、彦根城の城下町として歴史的建造物が建ち並ぶ観光地だ。江戸時代初期には中山道の宿場町として栄え、戦時中も空襲の被害を受けなかった事から昔の街並が当時のままの姿で遺っており、『関ヶ原』を代表する時代劇や、近年は味わい深く落ち着いた街並から様々な現代劇の舞台にもなっている。

 「鳥人間コンテスト」に挑戦する少女の姿を描いた『トリガール』では、会期に合わせて撮影を敢行してダイナミックな映像を作り上げる事に成功した。こうして数多くのロケをされているおかげで、近年では「映画のロケ地」という新しい観光地の側面も見せている。こうした街の資産を活用しようと、地元の有志で立ち上げた「彦根を映画で盛り上げる会」も発足され、様々なカタチで撮影の誘致や支援も行われてきた。

 南彦根駅からほど近く…ショッピングモールに平成8年より営業を続ける映画館「彦根ビバシティシネマ」がある。前身は昭和28年に彦根城の近くでゲンゲキ(彦根の彦をゲンと読む)という愛称で親しまれていた「彦根映画劇場」。平成8年といえば、まだ滋賀県内ではシネコン型の映画館は珍しく、更に『タイタニック』や『アルマゲドン』などヒット作が連発するという当たり年が重なったため、しばらくは満席の状態が連日続いたという。もちろん、スタッフも初めてのスタイルで何もかもが手探り状態。当初はチケットも上映30分前から販売を始めていたため、人気作品には常連のお客様の方が機転を利かせて、それぞれの作品ごとに列を作っていたそうだ。

 今も当時と変わらないアクリル表示プレートが懐かしい切符売場でチケットを購入。エントランスからロビー奥に売店が見える。創業時から変わっていないという売店は、狭いながらもお菓子やドリンクなどをギュッと詰め込んだ映画館の名脇役として存在感を放つ。ロビー全体に漂うカレースナックのスパイシーな香りが何ともたまらない!実はこのカレースナック…知る人ぞ知る隠れた名物で、現在は関西の映画館でも二館でしか販売されていない。東宝系劇場の売店を管轄していた会社が事業から撤退した時に、一度は販売終了になりかけたものの「美味しいから止めないで!」と多くのお客様から要望が寄せられ、独自のルートで製造会社を見つけ出して、直接仕入れて販売を続行したのだ。今ではカレースナックだけを購入する根強いファンがいるほどの味を興味のある方は是非体験していただきたい。

 場内に足を踏み入れると、それぞれ独自のデザインと色分けが施されており、休憩時間も実に楽しく過ごすことができる。歪な形の敷地に縦横斜めにシアターが配置されており、おかげで最大限の座席数とスクリーンサイズを確保した。ロビー中央の導線と4つのシアターの配置が、機能性と遊び心を両立させて、無駄無く計算されている優れものの映画館なのだ。


出典:映画館専門サイト「港町キネマ通り」
取材:2018年8月

語り手:大屋尚浩

平成12年から始めた映画館専門サイト「港町キネマ通り」にて全国の映画館を紹介している。自ら現地に赴き、取材から制作まで全て単独で行う傍ら、平行して日本映画専門サイト「日本映画劇場」も運営する。

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語り手:大屋尚浩

平成12年から始めた映画館専門サイト「港町キネマ通り」にて全国の映画館を紹介している。自ら現地に赴き、取材から制作まで全て単独で行う傍ら、平行して日本映画専門サイト「日本映画劇場」も運営する。

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