岐阜新聞映画部映画にまつわるエトセトラ頑張れ!岐阜ロイヤル劇場 B! クラファンに参加して、ロイヤル劇場の存続に協力しよう! 2023年09月28日 頑張れ!岐阜ロイヤル劇場 東海地方の映画マニアにとって、2023年は衝撃的な年となってしまった。 社会派映画や良質なヨーロッパ映画を中心に熱心な固定客に支えられてきた名演小劇場が3月に休館した。今をときめく是枝裕和監督の『誰も知らない』(2004)が公開された映画館であり、この生真面目な映画館の思い出は尽きない。 そこに決定的な追い打ちをかけたのが、7月の名古屋シネマテークの閉館だ。前身の自主上映サークル・ナゴヤシネアスト時代から上映会に参加していたが、1982年6月常設映画館として今池に名古屋シネマテークを設立した。ドキュメンタリーやアート系のヨーロッパ映画を中心に会員組織を作って上映を続けてきた全国のミニシアターの草分けである。私も数多くのアート系映画とここで出会った事を思うと残念でならない。 そんな中、昭和の名作映画を35ミリフィルムで上映を続けている岐阜ロイヤル劇場の存続に向けて、クラウドファンディングがスタートした。 「緋牡丹のお竜」の藤純子や「眠狂四郎」の市川雷蔵を始めとする錚々たる昭和の大スターの絵看板に出迎えられて入る映画館は、昭和レトロに満ち溢れている。 天井が高く、約300席の昔ながらの平面の座席から見上げるスクリーンは、2.35:1のシネマスコープサイズだ。最近のシネコンの多くは、1.85:1のアメリカンビスタサイズで設計されており、シネスコの映画を上映する時は、むしろ投影画面が小さくなってしまう。ロイヤル劇場は、昭和のプログラムピクチャーに適した横にドーンと広い迫力のあるスクリーンだ。 600円という破格の値段もさることながら、1日何度観てもいいし上映途中から観ても構わない、いわゆる「流し込み方式」だ。昭和の時代はこれが当たり前で、1日中映画館にいてもよかったのだ。 やっている映画も希少性のある作品が多く含まれ、私が最も好きな木下惠介監督で、DVDでさえ観られなかった『春の夢』(1960)、『歌え若人達』(1963)、『なつかしき笛や太鼓』(1967)を鑑賞できたのもロイヤル劇場である。 今では多くの名作がDVDや配信で観られるようになった。悪い事ではないが、映画は映画館で観るように設計されているコンテンツなのも事実だ。 さらに言えば映画館は地方文化を支える殿堂である。私もできる範囲のお金を出して、お役に立てればと思っている。頑張れ!ロイヤル劇場。 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 94% 観たい! (15)検討する (1) 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 2024年04月24日 / ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター 4Kで甦る 憎悪の泥に塗れた官能的な愛の物語 2024年04月24日 / ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター ジェーン・カンピオン監督の最高傑作、完璧な作品 2024年04月24日 / RED SHOES/レッド・シューズ オーストラリア発バレエ舞台の成長物語 more 2018年12月12日 / シネマテークたかさき(群馬県) 観たい映画をかける映画館を地元に…一人の男が立ち上がった。 2020年06月10日 / ジストシネマ田辺(和歌山県) 紀伊半島の港町にある地元密着型の映画館 2020年03月18日 / 布施ラインシネマ(大阪府) 大阪の下町で地元の人たちに愛されてきた映画館 more
東海地方の映画マニアにとって、2023年は衝撃的な年となってしまった。
社会派映画や良質なヨーロッパ映画を中心に熱心な固定客に支えられてきた名演小劇場が3月に休館した。今をときめく是枝裕和監督の『誰も知らない』(2004)が公開された映画館であり、この生真面目な映画館の思い出は尽きない。
そこに決定的な追い打ちをかけたのが、7月の名古屋シネマテークの閉館だ。前身の自主上映サークル・ナゴヤシネアスト時代から上映会に参加していたが、1982年6月常設映画館として今池に名古屋シネマテークを設立した。ドキュメンタリーやアート系のヨーロッパ映画を中心に会員組織を作って上映を続けてきた全国のミニシアターの草分けである。私も数多くのアート系映画とここで出会った事を思うと残念でならない。
そんな中、昭和の名作映画を35ミリフィルムで上映を続けている岐阜ロイヤル劇場の存続に向けて、クラウドファンディングがスタートした。
「緋牡丹のお竜」の藤純子や「眠狂四郎」の市川雷蔵を始めとする錚々たる昭和の大スターの絵看板に出迎えられて入る映画館は、昭和レトロに満ち溢れている。
天井が高く、約300席の昔ながらの平面の座席から見上げるスクリーンは、2.35:1のシネマスコープサイズだ。最近のシネコンの多くは、1.85:1のアメリカンビスタサイズで設計されており、シネスコの映画を上映する時は、むしろ投影画面が小さくなってしまう。ロイヤル劇場は、昭和のプログラムピクチャーに適した横にドーンと広い迫力のあるスクリーンだ。
600円という破格の値段もさることながら、1日何度観てもいいし上映途中から観ても構わない、いわゆる「流し込み方式」だ。昭和の時代はこれが当たり前で、1日中映画館にいてもよかったのだ。
やっている映画も希少性のある作品が多く含まれ、私が最も好きな木下惠介監督で、DVDでさえ観られなかった『春の夢』(1960)、『歌え若人達』(1963)、『なつかしき笛や太鼓』(1967)を鑑賞できたのもロイヤル劇場である。
今では多くの名作がDVDや配信で観られるようになった。悪い事ではないが、映画は映画館で観るように設計されているコンテンツなのも事実だ。
さらに言えば映画館は地方文化を支える殿堂である。私もできる範囲のお金を出して、お役に立てればと思っている。頑張れ!ロイヤル劇場。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。