岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

過疎地域での先進的事例を紹介した創造的ドキュメンタリー

2018年07月07日

おだやかな革命

©いでは堂

【ナレーション】鶴田真由
【監督・編集】渡辺智史

誰でも地方活性に参加できる

 21世紀に入って顕著になってきた東京一極集中は、さらに加速度を増し、地方の衰退は危険水域に達してきた。そういった状況をただ手をこまねいて見ているだけでなく、地方に移住し、地域に溶け込み、地元の人が気にもとめていなかったものの中に価値を見出し、地方の活性化に貢献している人たちがいる。

 渡辺智史監督の本作は、過疎と言われる4つの地域での先進的な事例を紹介し、地方に根付いた食やコミュニティーはもちろん、巨大資本に依拠してきたエネルギーまでをも地域分散型の多様なエネルギーに転換し、それを個人で選択できるような仕組み、ローカル発のまさに「おだやかな革命」と言える取り組みを描いている。

 3.11の原発事故により全村避難を余儀なくされた福島県飯館村のソーラー発電による売電事業の収益は、農地を守っていく事に繋がる。秋田県にかほ市にある「夢風」という首都圏にある生協が立ち上げた風車は、その売電収益を地域の特産品の開発にあてる取り組みで、それを縁にした交流が始まっている。岐阜県郡上市石徹白の小水力発電は、東京から家族ともどもやって来た移住者が、もともとあった明治から続く手掘りの小さな農業用水の利用を提案したことから実現している。岡山県西粟倉村の市場に流れない木材は、地域の温泉施設の重油に代わるエネルギーとして活用し、その温泉施設の活性化に繋がった。

 これらの地域に共通するのは、合理的観点で移住してきたよそ者を決して排除することなく受け入れ、新たなコミュニティーが形成されていること。地域内で経済が循環し、エネルギーも持続可能な自然エネルギーをとり入れていることである。さらに言えば、たとえ移住しなくても、その地域との関係を持ち続け、顔の見える関係になること、いわゆる「関係人口」の一員になることで、誰でも気軽に地方活性に参加できるのだと気付かせてくれる。創造的なドキュメンタリー映画である。


 『おだやかな革命』は岐阜CINEXで7月20日(金)まで上映中。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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