岐阜新聞 映画部

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勝つのは誰だ?四つ巴のクライム・アクションムービー

2024年09月12日

密輸 1970

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【出演】キム・ヘス、ヨム・ジョンア、チョ・インソン、パク・ジョンミン、キム・ジョンス、コ・ミンシ
【監督】リュ・スンワン

スピーディーなストーリー展開と、本物のアクション

海女は、海に潜り貝類や海藻を採る女性漁師のことで、世界では日本と韓国にしかいない文化だ。日本では志摩地域や能登地域、北三陸が知られるが、韓国では2016年に「済州島の海女文化」がユネスコ無形文化遺産に登録された。

『密輸1970』は、1970年代半ばの韓国の架空の街クンチョンを舞台に、工場排水等による海洋汚染で海産物が採れなくなってきた海女さんと、彼女たちの素潜りの技術を使って海に沈めた密輸品を獲ってこさせようとする密輸王、地元のチンピラ連中、それを取り締まろうとする税関職員の四つ巴のクライム・アクションムービーだ。

私が映画評を信頼している町山智浩さんやライムスター宇多丸さんが絶賛していてかなりハードル高めに鑑賞したが、面白いには面白かったが数日過ぎると細かい内容を忘れてしまう映画であった。

映画館の入れ替え制がなかった私の若い頃であれば、間違いなくもう1回観て「面白かった!」となったであろうが、いまの私には4つ巴のストーリー展開が早すぎてついていけない。スラスラスラーと一気に読んでしまった小説のように味気ないのだ。

韓国人の名前を覚えにくいのは致命傷だが、登場人物の多さに諦めざるをえない。前半戦の構成が後半戦への伏線となっているのもわかるが、ゲーム慣れしていないおじさんにとっては覚えておくのがチト辛い。

しかしストーリーはともかく後半戦のアクションシーンは凄い。悪者たちによる格闘シーンは本物の迫力があるし、ラストの海の中での海女さんと男どもとの対決は、力に勝る男たちが勝手の違う水中で海女さんたちにコテンパンにされてしまう。爽快なカタルシスである。

キャラもストーリー展開も誇張されているのは昔の東映映画の様で、これが日本映画だったら初見から「上出来の娯楽映画」とみえただろう。映画に罪は何も無く、ひとえに私の頭がついて行けなかっただけだ。映画はよく出来ている。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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