岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

下ネタ満載!B級映画テイストのロードムービー

2024年07月12日

ドライブアウェイ・ドールズ

©2023 Focus Features. LLC.

【出演】マーガレット・クアリー、ジェラルディン・ヴィスワナサン、ビーニー・フェルドスタイン、ジョーイ・スロトニック、C・J・ウィルソン、コールマン・ドミンゴ、ペドロ・パスカル、ビル・キャンプ、マット・デイモン
【監督・脚本・製作】イーサン・コーエン

おバカなシーンが大真面目に撮られている

コーエン兄弟(ジョエル&イーサン)の映画は、シリアスとユーモアが同居している上、作品ごとにそのバランスが変わっており、巧妙に練られたプロットは予測不能で、最後までわからない展開になることが多い。今度はどんな切り口で料理するのか、いつも楽しみな監督である。

本作は、弟のイーサン・コーエンの初の単独監督作品である。ストーリーを要約すれば、ジェイミー(マーガレット・クアリー)とマリアン(ジェラルディン・ビスワナサン)のレズビアンのカップルが、フィラデルフィア(ペンシルベニア州)からタラハシー(フロリダ州)まで、軽い気持ちで引き受けたヤバイ荷物を運んでいくというロードムービーである。

女2人のバディものロードムービーといえば今年4月にCINEXでリバイバル上映された『テルマ&ルイーズ』が真っ先に思い浮かぶが、『ドライブアウェイ・ドールズ』は下ネタ満載のお気楽でお下劣なロードムービーであり、体育会系の下ネタに慣れてない私としては、どう笑っていいのか扱いに困る映画であった。

脚本を書いたイーサン・コーエンの妻トリシア・クックが、「レズビアンを描いた作品は重くシリアスなものが多いので、楽しいセックスを描こうと思った」とのことだが、壁に取り付けられたチ〇コの張方をみて爆笑するほどの度量はない。

ただこれは笑いに対する好みの問題であるので、映画自体が悪いわけではない。おバカなシーンが大真面目に撮られていて陳腐さは全くない。B級映画テイストの一級作品ではある。

ヤバイ荷物のアタッシュケースの中身が、上院議員ゲイリー・チャネル(マット・デイモン)のディルドだった!なんて、くだらなさ過ぎて笑いの渦に巻き込まれてしまった。

ペーソスやシニカルな笑い、下ネタでもウンコネタなどは大好きだが、SEXネタというのは照れが先にたってしまい立ち往生してしまう。でもこれを笑えるのは実は羨ましいのだ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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