岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品おらが村のツチノコ騒動記 B! 「ツチノコ」を巡る結構真剣なドキュメンタリー 2024年07月02日 おらが村のツチノコ騒動記 ©2024 工房ギャレット 【監督・編集・ナレーション】今井友樹 「つちのこフェスタ」、4,000人でツチノコ探し 東白川村役場のホームページに掲載されている「つちのこ秘伝」によると、ツチノコはビール瓶くらいの胴から三角形の頭がちょこんと出ている体型で、体長は30cmから80cmくらい。蛇行しないで真っ直ぐに前後に動き、転がったりジャンプしたりし、まばたきをするということ。多数の目撃例も掲載されている。 本作は、東白川村出身のドキュメンタリー作家・今井友樹監督が、自身の村を舞台にして作った「ツチノコ」を巡る結構真剣なドキュメンタリーだ。 東白川村で毎年5月3日に開催される「つちのこフェスタ」には、人口2.016人(2020国調)の村に、全国から4,000人もの人が来村して大盛り上がり、みんなで捕獲具を片手に山へ分け入るのだ。こんな大騒ぎでは、ツチノコはおろか他の動物もみんな逃げてしまうと思うが、ワイワイやるのが実に楽しそうだ。 この「つちのこフェスタ」が始まったのは、1989年。まさにバブルの真っ最中。この頃は“第2次”ツチノコブームということで、東白川村以外でも、奈良県下北山村や広島県府中市上下町でも探索が始まっている。 私がツチノコを認識したのは、1970年代初頭の“第1次”ブームの時で、少年マガジンに連載されていた矢口孝雄の「幻の怪蛇バチヘビ」のことはよく覚えていて、当時は「本当にいる」と信じていた。 映画全体は、「見た」という人や「ヤマカガシの誤認」など様々な証言が出てくるが、みんな馬鹿にせず真剣に答えているところがいい。そして何よりも素敵なのは、みんなそれぞれのお国言葉で語っているところだ。 人口がどんどん減って過疎化が進む地方で、「ツチノコ」というある種のロマンを村おこしに利用していく。「つちのこフェスタ」に登場する村のゆるきゃら、「つっちー&のこりん」なんて蛇からはかけ離れているが、そんなの関係ない。誰も捕獲してないのだから何でもありだ。ツチノコ君に感謝だ。 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 100% 観たい! (7)検討する (0) 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 2024年09月06日 / 幸せのイタリアーノ 嘘からはじまるロマンチックコメディ 2024年09月06日 / 愛に乱暴 真面目に生きてきた女性が壊れる 2024年09月06日 / 愛に乱暴 人間の我慢の限界を描き、本質に迫った映画 more 2017年12月13日 / 十日町シネマパラダイス(新潟県) 震災を乗り越えて街に再び映画の灯を取り戻す 2021年06月09日 / 【思い出の映画館】かもめ座(神奈川県) 戦後の港町横浜で湾岸労働者たちに愛された二番館 2018年12月12日 / シネマテークたかさき(群馬県) 観たい映画をかける映画館を地元に…一人の男が立ち上がった。 more
「つちのこフェスタ」、4,000人でツチノコ探し
東白川村役場のホームページに掲載されている「つちのこ秘伝」によると、ツチノコはビール瓶くらいの胴から三角形の頭がちょこんと出ている体型で、体長は30cmから80cmくらい。蛇行しないで真っ直ぐに前後に動き、転がったりジャンプしたりし、まばたきをするということ。多数の目撃例も掲載されている。
本作は、東白川村出身のドキュメンタリー作家・今井友樹監督が、自身の村を舞台にして作った「ツチノコ」を巡る結構真剣なドキュメンタリーだ。
東白川村で毎年5月3日に開催される「つちのこフェスタ」には、人口2.016人(2020国調)の村に、全国から4,000人もの人が来村して大盛り上がり、みんなで捕獲具を片手に山へ分け入るのだ。こんな大騒ぎでは、ツチノコはおろか他の動物もみんな逃げてしまうと思うが、ワイワイやるのが実に楽しそうだ。
この「つちのこフェスタ」が始まったのは、1989年。まさにバブルの真っ最中。この頃は“第2次”ツチノコブームということで、東白川村以外でも、奈良県下北山村や広島県府中市上下町でも探索が始まっている。
私がツチノコを認識したのは、1970年代初頭の“第1次”ブームの時で、少年マガジンに連載されていた矢口孝雄の「幻の怪蛇バチヘビ」のことはよく覚えていて、当時は「本当にいる」と信じていた。
映画全体は、「見た」という人や「ヤマカガシの誤認」など様々な証言が出てくるが、みんな馬鹿にせず真剣に答えているところがいい。そして何よりも素敵なのは、みんなそれぞれのお国言葉で語っているところだ。
人口がどんどん減って過疎化が進む地方で、「ツチノコ」というある種のロマンを村おこしに利用していく。「つちのこフェスタ」に登場する村のゆるきゃら、「つっちー&のこりん」なんて蛇からはかけ離れているが、そんなの関係ない。誰も捕獲してないのだから何でもありだ。ツチノコ君に感謝だ。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。