岐阜新聞 映画部

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ドキュメント空白の18ヶ月に何があった

2024年06月20日

ジョン・レノン 失われた週末

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【出演】メイ・パン、ジョン・レノン、ジュリアン・レノン、ポール・マッカートニー、デヴィッド・ボウイ、エルトン・ジョン
【監督】イヴ・ブランドスタイン、リチャード・カウフマン、スチュアート・サミュエルズ

点で紡がれた時間を補填するのは個の証言

ここのところ、ビートルズ、および、メンバーが関連するドキュメンタリーの公開が続いている。

今や伝説として語り継がれるロックミュージシャンの軌跡を辿り、輝きの瞬間に再び巡り会えることは、ファンにとっては至福の時間だろう。 少し時代に遅れて、偶像という認識に留まってしまう、世代にとっても、伝説を真実として見ることは、目から鱗の刺激を受ける貴重な時間となる。

ジョン・レノンは、時に、ビートルズというバンドの枠を超えて語り継がれる。

『ジョン・レノン 失われた週末』は、ジョン・レノンが妻のオノ・ヨーコから距離を置いて、事実上の別居生活をした、1973年秋から1975年初頭にかけての18ヶ月間、俗に言う "失われた週末" について、その真相に迫ろうとしたドキュメンタリーである。

この映画のキーパーソン、というか、その "失われた週末" を真実として語るのは、メイ・パンという女性である。

メイ・パン、フルネームでは、メイ・フン・イー・パンは、1950年10月24日に、ニューヨーク・マンハッタンに生まれた。家は中国からの移民で、中国で生まれた姉と養子の兄と共に、幼少期は、ニューヨークのスパニッシュ・ハーレムで育った。家計を支えたのはクリーニング店を営む母親だった。

民族的な差別と挫折を経験し紆余曲折を経て、1970年12月、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが立ち上げた前衛映画のプロジェクトの手伝いをする依頼を受ける。これがジョン夫婦との関係が深まるきっかけとなった。

映画はパンが雑用係から秘書へと次第にその関係性を高めていく過程が、いくつかの証言のもとに語られる。確かに、彼女は有能なかつ、愛されキャラの持ち主であったことがわかるのだが…。

メイ・パンが最初に書いた回想録「Loving John」は、1983年、500頁あったオリジナル版から300頁に編集され出版された。

映画は空白の時間を点で繋ぐ、それがあくまでもパンの主張であることが些か気持ち悪い。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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