岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

映画を上映する側と観る側の、面白おかしい奮戦記

2024年06月18日

青春ジャック 止められるか、俺たちを2

©若松プロダクション

【出演】井浦新、東出昌⼤、芋⽣悠、杉⽥雷麟、コムアイ、⽥中俊介、向⾥祐⾹、成⽥浬、吉岡睦雄、⼤⻄信満、タモト清嵐、⼭崎⻯太郎、⽥中偉登、髙橋雄祐、碧⽊愛莉、笹岡ひなり、有森也実、⽥中要次、⽥⼝トモロヲ、⾨脇⻨、⽥中麗奈、⽵中直⼈
【脚本・監督】井上淳⼀

シネマスコーレがますます好きになってくる

シネマスコーレは、1983年2月19日に開館した。私が社会人になって3年目、オーナーは若松孝ニ監督(当時46歳)で、支配人が木全純治さん(当時34歳)だ。私の会員証番号は57番なので、割と初期から通っている。1か月に1度のスコーレサロンの司会は、かつて邦画担当は木全さんだった関係もあり、昔からの顔馴染みだ。

若松孝ニ監督は、知多半島・まるは旅館での映画合宿で一緒に過ごしたり、忘年会にも何度か参加させていただき、その怖さと親しみやすさの片鱗には少しばかり触れている。

本作は、名古屋で本格的なミニシアターを作った若松監督と木全さんの面白おかしい奮戦記であり、犬山の映画オタクであった井上淳一少年の悪戦苦闘の青春物語である。

木全さんに密着したドキュメンタリーとしては、「シネマスコーレを解剖する。コロナなんかぶっ飛ばせ」(2022)がある。いつもの人のよさそうなニコニコ顔で人をまとめ、楽観主義で苦境を乗り越え、一方で映画に関する真摯な姿勢と経営に関するシビアさも併せ持ち、決して「いい人」だけではない様子が垣間見られた。

本作は、開館当時の様子を、シネマスコーレに縁もゆかりもある井上淳一さんが劇映画としてまとめあげており、地方の映画青年にとって、いかにミニシアターが大切な存在であったかがよくわかる、客観的で爽やかな好編となっている。

井浦新さんが演じる若松監督役は実物以上に若松キャラがたっており、もはや車寅次郎ばりの可笑しさだ。「滅茶苦茶だが人情味がある」役どころで、見ているこちらが幸福な気分になってくる。

東出昌大さんが演じる木全さん役は、顔の良さや背の高さはさておき、猫背気味の風体や物事を深刻化しない話しぶりがそっくりである。

杉田雷麟君が演じる井上さん役も、映画オタクだけど行動は大胆なところを爽やかに演じている。

シネマスコーレがますます好きになってきた。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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