岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

名古屋にシネマスコーレあり、その誕生を描く青春ヒストリー

2024年06月18日

青春ジャック 止められるか、俺たちを2

©若松プロダクション

【出演】井浦新、東出昌⼤、芋⽣悠、杉⽥雷麟、コムアイ、⽥中俊介、向⾥祐⾹、成⽥浬、吉岡睦雄、⼤⻄信満、タモト清嵐、⼭崎⻯太郎、⽥中偉登、髙橋雄祐、碧⽊愛莉、笹岡ひなり、有森也実、⽥中要次、⽥⼝トモロヲ、⾨脇⻨、⽥中麗奈、⽵中直⼈
【脚本・監督】井上淳⼀

演じ手にも作り手にも照れが混じる可愛らしさ

ミニシアターは何処にあるのか?

シネマスコーレは、JR名古屋駅西口太閤通口(新幹線改札がある方)から、地上なら椿町線を渡り、地下に潜ってエスカ地下街を横切り。今は、ビックカメラのあるビルの左側を行き、最初の交差点信号の次の三叉路の角のビルの1階にある。

ちょっと分かり辛い説明かも知れないが、駅から数分の位置にある座席51のミニシアターである。

映画塾の歴史で振り返ると、2018年の11月23日の第25回で上映された『劇場版シネマ狂想曲 名古屋映画館革命』(『恋のクレイジーロード』『メイキング・オブ・クレイジーロード』を併映)が、シネマスコーレの副支配人(現・支配人)の坪井篤史氏を追ったドキュメンタリーだった。

まあ、こんな説明をするまでもなく、映画ファンならば、勿論ご存知の全国でも屈指の知名度を誇るミニシアターなのです。

開館したのは1983年2月19日。『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』は、このシネマスコーレ誕生の秘話をメインにした、題名にあるとおり、映画に青春を賭けた人たちのはなしなのだが、劇場のオーナーである若松孝二監督、木全純治支配人、脚本も書いた井上淳一監督のそれぞれのエピソードが詰め込まれ、第1作である『止められるか、俺たちを』(白石和彌監督/2018年)とは、全く毛色の違う作品になっている。

若松孝二監督を演じるのは、前作に引き続き井浦新。時に若松監督が憑依した瞬間が見えるほどに馴染んだ感があるが、恩師でもある若松孝二を自らが演じることには大きな抵抗があったと言う。

木全支配人を演じるのは東出昌大。容姿は全然似ていないのに、ちょっと屈折した体のラインが見事に再現されていて、特に後ろ姿の肩から腰にかけては激似で、細かい仕草にも工夫が見られる。

若き日の井上監督は杉田雷麟が、唯一、年頃の青春を瑞々しく演じている。

シネマスコーレに初めて行った日は、開館から少したった、同じ2月の寒い日の夕方だった。椅子も映写機も細部は変わったはずなのに、今も変わらずシネマスコーレはそこにある。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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