岐阜新聞 映画部

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母なる大河の源流を目指していく雄大なドキュメンタリー

2024年06月11日

劇場版 再会長江

©2024『劇場版 再会長江』/ワノユメ

【監督】竹内亮

悠々と流れる川の水は人と人とを繋いでいる

ナイル川、アマゾン川に次ぐ世界第3位の長大河川・長江は、中国四千年の歴史にはかかせないアイコンであり、悠久のロマンを感じる"母なる大河"だ。

長江が主役の映画では、三峡ダムにより水没する街を舞台に、日々を精一杯に生きる人々を描いたジャ・ジャンクー監督の『長江哀歌』(2006/ベネチア金獅子賞/キネ旬1位)や、上海から長江を遡る旅に出た船長が、ミステリアスな女性と恋に落ちるというヤン・チャオ監督の『長江 愛の詩』(2016/ベルリン銀熊賞/キネ旬56位)などがある。

そして本作とおなじ「長江源流の最初の一滴」を求める旅を描いた映画として忘れてはならないのが、さだまさしさんが私財を投じ監督まで務めたドキュメンタリー『長江』(1981/東宝配給/キネ旬28位)だ。映画評論家の児玉数夫さんは「さだまさしの情熱が、ジーンと胸に伝わって、素晴らしい」と評しているが、源流地域への立ち入りは中国当局の許可が下りず、目的を果たせていない。

本作は、中国・南京に在住する竹内亮監督が、2011年にNHKで撮って放映された「長江 天と地の大紀行」の10年後、同じ場所を訪れて同じ人々にインタビューしながら、当時果たせなかった源流を目指していく雄大なドキュメンタリーだ。

10年前の映像と対比しながらの構成だが、10年間の人々の価値観の変化は、竹内監督と共に、見ている私も驚くことしきりだ。

例えば、雲南省シャングリラで暮らしていた内向的なチベット族の少女ツームーは、民宿を開くという夢を実現している。親が紹介した相手としか結婚できなかった伝統的な結婚観は、妹が「別に結婚しなくていい」という価値観に変わり家族もそれを認めている。

一方的なノスタルジーに浸るのでなく中国の変化を受け入れ、感情的に嫌うのでなくお互いを認め合う。悠々と流れる川の水は人と人とを繋いでいる。長江に行ってみたくなる映画だ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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