岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

忘れられない恋と再会の物語

2024年06月04日

パスト ライブス/再会

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【出演】グレタ・リー、ユ・テオ、ジョン・マガロ
【監督・脚本】セリーヌ・ソン

思いが交錯するラストで泣いてしまうが誰に対しる涙だったか?

韓国・ソウルに暮らす12歳のノラとヘソンは、互いを異性として少し意識し始めた初々しい友達関係。女の子のノラの方が大人びて見えるのは、この年ごろには(日本でも)よくあること(?)。

そんなふたりだったが、ノラの家族の海外移住によって離れ離れになってしまう。そこにはセンチメンタルな感情はあるが、決して劇的な別れはなかった。

韓国における海外移住は、一部には社会問題視する向きもある。

2012年から2022年までの10年間で、韓国籍を喪失・離脱した人は26万人に及ぶ。これは毎年2万人という数字になるが、韓国人の海外への移住という話は、今に始まったことではなく、かなり以前から耳にしていたことでもある。ある統計によれば、韓国人の海外移住者は国民の1割強の730万人になると言う。

『パスト ライブス 再会』のはじまりの移住による別れも、20年以上前の話である。

それから12年、互いに24歳になったノラとヘソン。ノラはカナダにいる家族のもとを離れて、ニューヨークで夢を叶えるべく、演劇の勉強で忙しい日々を送っている。

ヘソンもソウルで徴兵義務を果し、新たな友に囲まれた青春を堪能している。

そんなふたりが、インターネットによって繋がる。

オンライン上ではあるものの、再会したふたりは、互いの近況を交換し、毎日の会話を愉しみにするのだが、時差とどうしようもない距離に、次第にぎこちなさが生じ、ラインは途切れてしまう。

この2度目の別れが、微妙?…しこりとなる。

それから12年。36歳になったふたり。ノラは作家のアーサーと結婚し、ニューヨークで暮らしている。ソウルで働くヘソンは休暇を利用してニューヨーク行きを決め、ノラとの再会を計画する。

24年間に及ぶ、前世と繋がるようなふたりの "縁" には、感情の微妙な揺らめきとともに思いの格差が存在する。これは致し方ない、受けとめる観客の立場としたところで様々。ちょっとした行き違いのしこりもまた、運命なのだから…。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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