静謐な地の果てに魂の救済はあるのか

アイスランドは何処にある？

地図や地球儀を指で辿れば、イギリス=グレートブリテンと北アイルランドのある２つの島を少し西寄りに北上すると突き当たる島。大きさは日本の北海道と四国を合わせたくらいの面積で、人口は38万人ほど。国名はイーストランドと呼ぶ場合もあるが、英語に基けば、アイスランド=氷島となる。冷たい寒いというイメージ、北端は北極圏内になるからそれは間違いではない。

そしてもうひとつ、アイスランドの国土は、日本と同じ大陸プレートの亀裂部分にあり、温泉、火山の国でもある。

アイスランド人のほとんどは、北欧人とゲール人の入植者で構成され、言語であるアイスランド語は、北ゲルマン語、フェロー語と密接に関係している。その文化は中世の時代から形成された、スカンジナビアの伝統に基づく独自のものである。

永らくデンマークの統治下に置かれ、1918年の自治法制定の分離に続き、完全な独立を果たしたのは1944年6月17日のことだった。

そのデンマーク統治下にあった19世紀後半の話。

主人公であるデンマーク人の若き牧師ルーカスは、植民地であるアイスランドの海岸に辿り着く。彼が担った任務はそこから遠く離れた辺境の村に教会を建てることだった。

キリスト教の布教の映画はいくつも思い浮かぶ。

『ミッション』(ローランド・ジョフィ監督/1986年/日本公開1987年)は、スペイン統治下にあった南米の僻地へ布教に向かう牧師の苦難、現地人との衝突、統治の覇権争いを描いている。

また、遠藤周作原作『沈黙』は、同じく、困難を極めた異国=日本での布教の物語。2016年(日本公開2017年)にマーティン・スコセシ監督によって映画化され記憶に新しい(日本製作版/篠田正浩監督/1971年)。

馬による移動は険しく厳しい。それに拍車をかけるのが、道先案内人のデンマーク人嫌いのラグナルとの対立だった。

無神論者が指摘するのは野暮だが、何故にあなたはそこまでするのか…。