11歳の少女の眼に映る現在のニカラグア
2024年05月17日
マリア 怒りの娘
© Felipa S.A. - Mart Films S.A. de C.V. - Halal Scripted B.V. - Heimatfilm GmbH + CO KG - Promenades Films SARL - Dag Hoel Filmprooduksjon as - Cardon Pictures LLC - Nephilim Producciones S.L. ‒ 2022
【出演】アラ・アレハンドラ・メダル、バージニア・セビリア、カルロス・グティエレス、ノエ・エルナンデス、ダイアナ・セダノ
【監督】ローラ・バウマイスター
母国を舞台にした女流の初監督作品
映画で "アラウンド ザ ワールド"
映画は日本映画=邦画と外国映画=洋画に大きく二分されるが、外国映画には様々な国の映画が存在する。ここでさらにアメリカ映画とヨーロッパ映画に大雑把に区分することも可能だが、この分類も今や時代遅れ。それ以外の地域の作品もあるし、合作という製作形態もあり多様化している。 個人史で振り返ると、アメリカ、ヨーロッパ映画以外の国籍を持つ映画を観たのは、1980年代のはじめ頃だったか?
それは一般的な劇場公開ではなかったが、アフリカ映画とか、ラテンアメリカ映画を集めて上映する小さな映画祭のような企画が開催された。
他にも、ミニシアターの老舗だった東京神保町の岩波ホールでは、一般公開と同じスタンスで、馴染みの浅い国々の作品が公開されたりもした。
ニカラグアは何処にある?
正確には、ニカラグア共和国は、中米にある国で、東をカリブ海、西側を太平洋に面し、北をホンジュラス、南をコスタリカに挟まれた国となるが、この説明もわかり難い。もう少しざくっとした説明なら、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸を繋ぐ、メキシコから南下してパナマ運河に至る地図でいう細長い部分にある国。
長い前置きになりましたが、『マリア 怒りの娘』は、このコスタリカを舞台にした映画で、製作は多国籍にはなるものの、わたし自身も初めて観るニカラグア映画となった。
国の首都マナグアにある巨大なゴミ捨て場。11歳とマリアは母とふたり、貧しくとも愛を感じる幸せな日々を送っていた。
ある日、トラブルに巻き込まれた母は、その解決のため、マリアを置いて街へ向かう。しかし、なかなか帰ってこない。困窮したマリアは意を決して母探しに向かう…。
長く内戦状態にあったニカラグアでは、これまで映画は数本しか製作されていなかった。本作のローラ・バウマイスター監督はメキシコで学び、母国を舞台にした本作で初メガホンをとった。
少女の目を通して描く現在のニカラグア、その視点は揺るぎなく厳しい。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。