岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

個性的な登場人物が躍動する爽快コメディ

2024年05月09日

ブルックリンでオペラを

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【出演】アン・ハサウェイ、ピーター・ディンクレイジ、マリサ・トメイ、ブライアン・ダーシー・ジェームズ、ヨアンナ・クーリク
【監督・脚本】レベッカ・ミラー

オペラの題材が下世話なのは昔も今も変わらない

悩めるものは藁をも掴む 掴んだ藁には思わぬ罠がついていた。

ニューヨーク、ブルックリンに暮らす夫婦。

現代オペラの作曲家、夫のスティーブンは、追い詰められていた。間近に迫った新作の発表コンサート。5年間のスランプからの華麗なる復活…するはずだったが、インスピレーションの欠片も降りてこないまま、鬱屈とした日々を送っている。

精神科医で妻のパトリシアは、そんな夫を気遣いつつも、仕事に追われ、安定剤を処方することでやり過ごす。取り敢えず気になるのは予約患者のことと、目の前の汚れをはらうこと。多分、自己分析はできているが、強度の潔癖症。

気休めに思えなくもないが、治療の一環を主張する、愛犬の散歩へとスティーブンを送り出す。

あてのない散歩。ふと立ち寄ったバーで、午前中からグラスをかたむけ、相当出来上がっているように見える女性が、肩を擦り寄せてくる。

輸送船の船長をしているというカトレーナは、危ないオーラを発していたが、多少の好奇心と、強引な誘惑にあがらうこともできず。スティーブンはカトレーナの "船" に乗船してしまう。

スティーブンを演じるのは、一昨年公開された古典的名作戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」のミュージカル版『シラノ』(ジョー・ライト監督)で、新・シラノを圧倒的な個性で見事に演じたピーター・ディンクレイジ。苦悩の暗部と躍動する明の活躍ぶりを見事に演じ分けている。

パトリシアを演じるのは、本作のプロデューサーも兼ねるアン・ハサウェイ。美人ゆえの悩みと、度を超えてしまう清き女性を逞しく演じている。 居並ぶ個性的な面子の中でも出色なのは、女船長カトリーナで、アカデミー賞女優のマリサ・トメイが、恋愛(=SEX)依存症でストーカーで、時には肝っ玉母さんにと、豹変する不思議女性を楽しそうに演じている。

スティーブンの過ち(?)が思わぬ事件に発展、そこに夫婦の息子カップルの捻じ曲げられた恋愛話が絡み合う。奇想の登場人物の個性に負けない展開の話も最後は息切れ気味になるのは致し方ない。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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