岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品テルマ&ルイーズ 4K B! 女性2人の画期的なクライムサスペンスで映画史に残る傑作 2024年04月22日 テルマ&ルイーズ 4K Thelma & Louise © 1991 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. 【出演】スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、ハーヴェイ・カイテル、マイケル・マドセン、ブラッド・ピット 【監督・製作】リドリー・スコット 強盗の青年役ブラッド・ピットがやはりかっこいい リドリー・スコット監督は、SF映画の金字塔『エイリアン』(1979)や後の映画に多大な影響を与えた『ブレードランナー』(1982)、大阪を舞台にした『ブラック・レイン』(1989)など、完璧なヴィジュアルと斬新な撮影、巧みなストーリー展開の傑作を連発する大監督である。 それらに続く『テルマ&ルイーズ』(1991)は、女性2人の犯罪バディものという今までにない画期的なクライムサスペンスであり、既成の価値観をぶった切るテーマ性やロケーション主義は、新しいアメリカン・ニューシネマでもあった。 私は公開当時に観ているが、『ボニー&クライド(日本題名:俺たちに明日はない』(1967)や『ブッチ・キャシディ&サンダンス・キッド(日本題名:明日に向かって撃て!』(1969)、『バニシング・ポイント』(1971)などのニューシネマを思い出させると共に、平凡な女性2人がレイプ事件をきっかけに破滅に向かっていくという斬新なストーリーはとても面白く、1991年のマイベストテンの洋画1位に文句なく選んでいる。 今回33年ぶりにCINEXで観たが、全く色褪せることなく、むしろ未だにセクハラや性的犯罪があるという現実を嘆かずにはいられない。 大雑把で優柔不断で無防備な主婦テルマ(ジーナ・デイヴィス)と、几帳面で計画的なウェイトレスのルイーズ(スーザン・サランドン)の親友同士のバカンスが、1人の傲慢なセクハラ男に踏みにじられてしまう。そこからの州を越えた逃避行には、終始同情的なハル警部(ハーヴェイ・カイテル)らが追っかけていくが、途中で物語に加わっていく強盗の青年役ブラッド・ピットがやはりいい。当時売り出し中だがすでに輝いているのだ。 アカデミー賞にWノミネートされた2人の女優は、リアルでもジェンダー平等の立場からリベラルな発言や行動を行っている。それも含めて映画史に残る傑作であると言える。 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 100% 観たい! (7)検討する (0) 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 2024年05月01日 / コットンテール 愛妻の遺言をかなえる旅を描いた英日合作 2024年05月01日 / コットンテール 最愛の人の遺言を叶えるための旅の物語 2024年05月01日 / コットンテール 湖水地方の風景が美しい、父と子との再生の映画 more 2021年01月19日 / 下高井戸シネマ(東京都) 住宅街の中…マンションの2階にある映画館 2019年06月05日 / シネ・ウインド(新潟県) 自分たちの観たい映画を自分たちの映画館で… 2024年02月28日 / jig theater(鳥取県) 池を見下ろす高台に建つ閉校した小学校にあるミニシアター。 more
強盗の青年役ブラッド・ピットがやはりかっこいい
リドリー・スコット監督は、SF映画の金字塔『エイリアン』(1979)や後の映画に多大な影響を与えた『ブレードランナー』(1982)、大阪を舞台にした『ブラック・レイン』(1989)など、完璧なヴィジュアルと斬新な撮影、巧みなストーリー展開の傑作を連発する大監督である。
それらに続く『テルマ&ルイーズ』(1991)は、女性2人の犯罪バディものという今までにない画期的なクライムサスペンスであり、既成の価値観をぶった切るテーマ性やロケーション主義は、新しいアメリカン・ニューシネマでもあった。
私は公開当時に観ているが、『ボニー&クライド(日本題名:俺たちに明日はない』(1967)や『ブッチ・キャシディ&サンダンス・キッド(日本題名:明日に向かって撃て!』(1969)、『バニシング・ポイント』(1971)などのニューシネマを思い出させると共に、平凡な女性2人がレイプ事件をきっかけに破滅に向かっていくという斬新なストーリーはとても面白く、1991年のマイベストテンの洋画1位に文句なく選んでいる。
今回33年ぶりにCINEXで観たが、全く色褪せることなく、むしろ未だにセクハラや性的犯罪があるという現実を嘆かずにはいられない。
大雑把で優柔不断で無防備な主婦テルマ(ジーナ・デイヴィス)と、几帳面で計画的なウェイトレスのルイーズ(スーザン・サランドン)の親友同士のバカンスが、1人の傲慢なセクハラ男に踏みにじられてしまう。そこからの州を越えた逃避行には、終始同情的なハル警部(ハーヴェイ・カイテル)らが追っかけていくが、途中で物語に加わっていく強盗の青年役ブラッド・ピットがやはりいい。当時売り出し中だがすでに輝いているのだ。
アカデミー賞にWノミネートされた2人の女優は、リアルでもジェンダー平等の立場からリベラルな発言や行動を行っている。それも含めて映画史に残る傑作であると言える。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。