岐阜新聞 映画部

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国王の公妾として登りめた女性の波乱の物語

2024年04月11日

ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人

©️2023-WHY NOT PRODUCTIONS-FRANCE 2 CINEMA- FRANCE 3 CINEMA-LA PETITE REINE-IMPALA PRODUCTIONS ©︎Laurent Dailland ©︎Stéphanie Branchu - Why Not Productions

【出演】マイウェン 、ジョニー・デップ
【監督】マイウェン

マイウェン監督が女優として演じたかったことはわかる

ルイ15世は生まれも育ちもフランス・ベルサイユ宮殿である。

世界史的には、ルイ15世はブルボン朝の第4代フランス国王ということになる。

もう少し馴染みのあることで言えば、あの「ベルサイユのバラ」(池田理代子・原作)にも登場する。

と言っても、知名度としてはいまひとつかも知れない。

生まれたのは1710年2月15日。国王に即位したのは1715年9月1日で、御歳、5歳だった。

『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』は、このルイ15世の "公妾" となったデュ・バリー夫人の波乱の生きざまを描いた映画である。

現在、放映されている大河ドラマ「光る君へ」は、平安時代中期を舞台に、日本最初、世界最古の女性文学者、紫式部の生涯を描いている。この中世日本でも結婚、縁談に絡んだ話に、"しょう" という、正室の他の立場となる側室の呼び名が度々登場する。"しょう" は "妾" のことで、めかけのこととなるが、平安大和でも公なものであったことがわかる。

フランス王国でも、この妾という立場は、公に示された、つまりは "公認" であった。

デュ・バリー夫人は、本名をマリ=ジャンヌ・ベキューといい、お針子をするアンヌ・ベキューの私生児として生まれた。家は貧しく、成長したマリ=ジャンヌは、お針子をしながら、娼婦まがいの仕事をして生計を立てていた。

20歳の頃、バリー子爵に身染められ同居するようになり、子爵の人脈に、悪く言え便乗して、大物貴族やアカデミー会員といった一流人脈と情を交わすことになり、ついには宮廷へ出入りするようになる。

映画では、ルイ15世に謁見する瞬間が劇的に描かれている。軽い言い方をすれば "一目惚れ" で、マリ=ジャンヌは、国王のお手つきとなる。

それなりの作法や流儀を身に付け、女性として成り上がっていく話なのだが…歴史ものとしても、女性映画としても興味深い内容でも、主役はミスキャストと指摘しなければならないのが、もどかしい。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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