岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品燈火(ネオン)は消えず B! 亡き夫の夢を叶える妻の決意の物語 2024年04月04日 燈火(ネオン)は消えず ©2022 A Light Never Goes Out Limited All Rights Reserved 【出演】シルヴィア・チャン、サイモン・ヤム、セシリア・チョイ、ヘニック・チャウ 【監督・脚本】アナスタシア・ツァン 灯を消さないことを映画に重ねている 香港と言えば「100万ドルの夜景」 100万ドルの夜景というのは、日本の六甲山から見える神戸の夜景がその言葉の起源とされている。山頂から見える電灯の数は、およそ496万個で、それを電気代で換算すると、約100万ドルだったから、という説がある。しかし、これは、1953年に換算されたもので、節電照明器具のLEDも、1ドルの円相場も違う、今には当てはまらない…というと元も子もない話になってしまうが、香港の夜景はその象徴でもあった。 2010年に建築法等が改正され、例えば建物からはみ出す様にして設置された照明=灯火は新設はおろか、撤去される事態になった。 それから10年。香港のネオンは9割が姿を消した。 腕利のネオン職人だった夫ビルを亡くしたいま、妻のメイヒョンは後悔に苛まれていた。かつて、自分の進言によって、夫に仕事を廃業させたことに…。 ある日、メイヒョンは、「ビルのネオン工房」と書かれた鍵を見つける。かつての夫の工房があった場所、10年も前に廃業したはずのこそには、ビルの弟子だと言うレオと名乗る青年がいた。 メイヒョンを演じるのは、名女優シルビア・チャンで、本作ではプロデューサーも兼ねている。 シルビア・チャンは1953年台湾に生まれた。16歳の時、学校を中退して、ラジオのDJとして活動を開始した。映画でのデビュー作は、『いれずみドラゴン 嵐の決斗』(1973)で、18歳の時だった。81年には監督も手がけるようになり、脚本家、演出家としても高い評価を得ている。 レオに夫の死と工房を閉めることを告げたメイヒョンだったが、レオは師匠のビルにはやり残した仕事があり、それが彼の悲願であったことを聞かされ、それを完成されるまで、仕事を続けようと説得される。 夫がやり残したこと、それを完成させること、メイヒョンは決意を固め、ネオン作りを学び始める。 少し裏読みかも知れないが…作品にはネオンの輝きを香港映画のかつての輝きに重ね、その灯を消さないという、シルビア・チャンの決意が見える。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (6)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2024年09月26日 / どら平太 日本映画黄金時代を彷彿とさせる盛りだくさんの時代劇 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 助けを求める人はもはや敵ではなく、ただの人間だ 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 海の男たちが下す決断を描くヒューマンドラマ more 2018年01月11日 / リナシアター(鹿児島県) 大隅半島にただひとつ…皆の思いで復活した映画館 2024年04月17日 / 萩ツインシネマ(山口県) 歴史ある街並みを散策途中、ふと足を止めたくなる。 2018年05月23日 / 本渡第一映劇(熊本県) この町で映画を観たいという島の人々の声で復活した映画館 more
灯を消さないことを映画に重ねている
香港と言えば「100万ドルの夜景」
100万ドルの夜景というのは、日本の六甲山から見える神戸の夜景がその言葉の起源とされている。山頂から見える電灯の数は、およそ496万個で、それを電気代で換算すると、約100万ドルだったから、という説がある。しかし、これは、1953年に換算されたもので、節電照明器具のLEDも、1ドルの円相場も違う、今には当てはまらない…というと元も子もない話になってしまうが、香港の夜景はその象徴でもあった。
2010年に建築法等が改正され、例えば建物からはみ出す様にして設置された照明=灯火は新設はおろか、撤去される事態になった。
それから10年。香港のネオンは9割が姿を消した。
腕利のネオン職人だった夫ビルを亡くしたいま、妻のメイヒョンは後悔に苛まれていた。かつて、自分の進言によって、夫に仕事を廃業させたことに…。
ある日、メイヒョンは、「ビルのネオン工房」と書かれた鍵を見つける。かつての夫の工房があった場所、10年も前に廃業したはずのこそには、ビルの弟子だと言うレオと名乗る青年がいた。
メイヒョンを演じるのは、名女優シルビア・チャンで、本作ではプロデューサーも兼ねている。
シルビア・チャンは1953年台湾に生まれた。16歳の時、学校を中退して、ラジオのDJとして活動を開始した。映画でのデビュー作は、『いれずみドラゴン 嵐の決斗』(1973)で、18歳の時だった。81年には監督も手がけるようになり、脚本家、演出家としても高い評価を得ている。
レオに夫の死と工房を閉めることを告げたメイヒョンだったが、レオは師匠のビルにはやり残した仕事があり、それが彼の悲願であったことを聞かされ、それを完成されるまで、仕事を続けようと説得される。
夫がやり残したこと、それを完成させること、メイヒョンは決意を固め、ネオン作りを学び始める。
少し裏読みかも知れないが…作品にはネオンの輝きを香港映画のかつての輝きに重ね、その灯を消さないという、シルビア・チャンの決意が見える。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。