岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

全編ドラム愛に満ち溢れた、身体で感じられる音楽映画

2024年03月27日

COUNT ME IN 魂のリズム

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【出演】シンディ・ブラックマン、ニコ・マクブレイン、イアン・ペイス、チャド・スミス、ロジャー・テイラー
【監督・製作】マーク・ロー

キッチンのフライパンやお鍋などを叩きまくっていた

本作は伏見ミリオン座で観たが、洋楽に詳しくない私でも次第に右足はステップし自然に身体が揺すれてきた。たまたま一緒に観た長年の映画仲間で音楽に造詣の深い友人が、「めちゃくちゃ面白かった。今まで観た音楽ドキュメンタリーのなかでも最高の1本」と速攻で評してくれて、私も最高に嬉しくなってきた。

バンドの花形といえばボーカルやギターであるが、楽曲のリズムをコントロールしテンポをキープするドラムは、バンドを支える屋台骨である。

一方で日本の事情しか知らないが、X JAPANのYOSHIKIなどドラムヒーローはいるものの、現代ではドラム音源の“打ち込み”が定着し、私の大好きなSEKAI NO OWARIをはじめドラムレスバンドは珍しくなくなってきている。

そんな背景がある中での本作は、人間の身体的本能に直結し、最も原始的な楽器である打楽器(ドラム)を操るドラマーにフォーカスした、音楽ドキュメンタリーである。

映画の中では、チャド・スミス(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、ニコ・マクブレイン(アイアン・メイデン)、スチュワート・コープランド(ポリス)、ロジャー・テイラー(クイーン)など19人のドラマーたちが、自身のキャリアやドラムの魅力について本音で楽しく語ってくれる。

ギターやベースのスタートはまずは楽器ありきだと思うが、スタードラマーたちのスタートはキッチンのフライパンやお鍋などを叩きまくっていたというのがとっても面白い。初めて買ってもらったドラムセットの感動もいいが、多くのドラマーが「カッコいいドラマーに憧れたから」という理由が、カッコつけてなくてむしろカッコいい。これらインタビューに混じって、伝説のレジェンドたちのドラムパフォーマンスのライブ映像が惜しみなく使われる。

全編ドラム愛に満ち溢れた、ドラムに関する専門的な知識が無くとも身体で感じられる音楽映画だ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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