岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品サン・セバスチャンへ、ようこそ B! 自己の映画愛を全開にした、愛すべきコメディ映画 2024年03月06日 サン・セバスチャンへ、ようこそ © 2020 Mediaproducción S.L.U., Gravier Productions, Inc. & Wildside S.r.L. 【出演】ウォーレス・ショーン エレナ・アナヤ ジーナ・ガーション ルイ・ガレル クリストフ・ヴァルツ 【脚本・監督】ウディ・アレン 軽くサラサラと観られるウディ・アレン映画 ウディ・アレン(88歳)は賞の常連で、アカデミー賞では作品賞で3回、個人賞で24回ノミネート(監督賞7回、脚本賞16回、主演男優賞1回)され、『アニー・ホール』(1977)で作品・監督・脚本賞、『ハンナとその姉妹』(1986)・『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)で脚本賞を受賞している。 キネ旬ベストテンでも12作品がランクインするという映画史上でも最高峰の監督の1人だが、最近では性的虐待の告発によりハリウッドでは映画が撮れなくなっている。 2004年にドイスティア賞(生涯功労賞)を受賞したこともあるスペインのサン・セバスチャン国際映画祭を舞台にした本作は、山田洋次監督の『キネマの神様』(2021)と同じように、映画をコンスタントに作り続けてきた大監督が先輩監督にオマージュを捧げつつ自己の映画愛を全開にした、愛すべきコメディ映画となっている。 主演はウディ・アレンの映画ではお馴染みのウォーレス・ショーン(役名:モート・リフキン)で、ウディ・アレンの分身ともいえる冴えない風貌の映画評論家を演じている。 彼の役柄は、自己愛が強く知識は豊富だがそれをひけらかすことで相手をシラケさせ、コミュ障気味だが自分では気が付いておらず、居心地が悪くなるがそれは大概自分のせいという、これまで何度も出てきた典型的なウディ・アレン映画のキャラである。 お話は、妻(ジーナ・ガーション)の浮気を疑うリフキンが、心療内科の女性医師(エレナ・アナヤ)に恋心を抱き始めておこるてんやわんやであるが、リフキンが夢か妄想で見る名画のパロディが面白い。 『市民ケーン』のローズバットと書かれたソリ、『勝手にしやがれ』のシーツを破るシーン、『男と女』の車中のシーン、『8 1/2』の理想と現実がごちゃごちゃになってくるシーンなどは私でもすぐにわかった。 軽くサラサラと観られるウディ・アレン映画だ。 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 100% 観たい! (8)検討する (0) 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 2024年07月23日 / 青春18×2 君へと続く道 切なさ溢れる抒情的恋愛映画の秀作 2024年07月22日 / 青春18×2 君へと続く道 ピュアな恋を描いた大人のラブストーリー 2024年07月22日 / 青春18×2 君へと続く道 初恋の思いを辿る台湾=日本合作恋愛映画 more 2021年11月24日 / 【思い出の映画館】テアトル石和(山梨県) ぶどう園の真ん中にポツンと佇む映画館。 2023年10月25日 / シネマネコ(東京都) ゆっくり過ごせるカフェがある木造建築の映画館。 2024年06月05日 / shimane cinema ONOZAWA(島根県) 山陰の地方都市に復活した街の小さな映画館。 more
軽くサラサラと観られるウディ・アレン映画
ウディ・アレン(88歳)は賞の常連で、アカデミー賞では作品賞で3回、個人賞で24回ノミネート(監督賞7回、脚本賞16回、主演男優賞1回)され、『アニー・ホール』(1977)で作品・監督・脚本賞、『ハンナとその姉妹』(1986)・『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)で脚本賞を受賞している。
キネ旬ベストテンでも12作品がランクインするという映画史上でも最高峰の監督の1人だが、最近では性的虐待の告発によりハリウッドでは映画が撮れなくなっている。
2004年にドイスティア賞(生涯功労賞)を受賞したこともあるスペインのサン・セバスチャン国際映画祭を舞台にした本作は、山田洋次監督の『キネマの神様』(2021)と同じように、映画をコンスタントに作り続けてきた大監督が先輩監督にオマージュを捧げつつ自己の映画愛を全開にした、愛すべきコメディ映画となっている。
主演はウディ・アレンの映画ではお馴染みのウォーレス・ショーン(役名:モート・リフキン)で、ウディ・アレンの分身ともいえる冴えない風貌の映画評論家を演じている。
彼の役柄は、自己愛が強く知識は豊富だがそれをひけらかすことで相手をシラケさせ、コミュ障気味だが自分では気が付いておらず、居心地が悪くなるがそれは大概自分のせいという、これまで何度も出てきた典型的なウディ・アレン映画のキャラである。
お話は、妻(ジーナ・ガーション)の浮気を疑うリフキンが、心療内科の女性医師(エレナ・アナヤ)に恋心を抱き始めておこるてんやわんやであるが、リフキンが夢か妄想で見る名画のパロディが面白い。
『市民ケーン』のローズバットと書かれたソリ、『勝手にしやがれ』のシーツを破るシーン、『男と女』の車中のシーン、『8 1/2』の理想と現実がごちゃごちゃになってくるシーンなどは私でもすぐにわかった。
軽くサラサラと観られるウディ・アレン映画だ。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。