岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

お笑いだけが生きがい その壮絶な生き様

2024年03月05日

笑いのカイブツ

©︎2023「笑いのカイブツ」製作委員会

【出演】岡山天音、片岡礼子、松本穂香、前原滉、板橋駿谷、淡梨、前田旺志郎、管勇毅、松角洋平、菅田将暉、仲野太賀
【監督】滝本憲吾

脚本に仕掛けられた監督への挑戦状

主人公のツチヤタカユキは実在する。

「着信御礼!ケータイ大喜利』というテレビ番組も実在した。

放送が始まったのは、2005年の1月5日で、NHKの総合テレビで放送された。また、ケーブルテレビや衛星放送向けの配信サービスだった "NHKワールドプレミアム"(2019年以降はBSプレミアム枠)でも放送されたバラエティ番組だった。

個人的には、実際の記憶が劇中のものと結びつくのに、少し時間が掛かるくらいの感覚でしかなく、タイムリーに見たことはあったが、細かい内容やその時の感想は至って曖昧という程度で、特別な思い入れはない。

自分は自信を持ってテレビっ子という認識だが、10代の頃、ラジオ番組に少なからず熱中した時期があった。

その頃の番組では、パーソナリティが聴取者(リスナー)とやり取りをするという形態が多くあり、そのツールは郵便=ハガキだった。

16歳のツチヤタカユキは投稿に命懸けだった。それは執念とも呼べるもので、テレビ番組「ケータイ大喜利」に投稿を続ける。そして、番組の投稿者のランキングで、最高位である "レジェンド" の称号を得る。

ツチヤはその才を認められ、放送作家の見習いとなり、アマチュアからプロへの道に進む。

しかし、考えたネタを一方的に送るだけで完結して、人との接点は不要だったそれまでと違い、笑いのプロの世界には他人との交わりが不可欠だった。ツチヤの非常識な行動、異端ぶりは、周囲からは理解されず、孤立は深まり居場所はなくなってしまう。

自暴自棄のなか、ハガキによるラジオ番組への投稿、原点への回帰により再起をかける。

ツチヤを演じるのは多くの作品で脇役でありながら、気になる目立つ存在であり続ける岡山天音で、はまり役を圧倒的な個性で見事に好演している。

好き嫌いが極端に振れるのは笑いの趣味と同じかも?

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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