岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

theater somewhere

商店街の一角にある映画と音楽と食のセレクトショップ

2020年01月08日

HOTORI×ほとり座(富山県)

【住所】富山県富山市中央通り1-2-14 三笠ビル2F
【電話】076-422-0821
【座席】20席

 富山駅から市電に乗って10分ほど西町停留所で降りる。ここは、繁華街として栄えてきた総曲輪通りと、多くの映画館やデパートが軒を連ねていた中央通りがある市の中心地だ。まだ肌寒い4月の夕暮れ時…ひと気も少なくなった中央通り商店街を歩くと、ひっそりと静まり返っている商店街の一角に、ひときわ通りを明るく照らしている場所があった。1階が軽食やドリンクを楽しめるカフェ、2階が客席数20席の映画と音楽を楽しめるシネマカフェの「HOTORI × ほとり座」である。

 「皆が集まる川の辺り(ほとり)のような場所」がコンセプトのイベントスペース「HOTORI」をオープンしたのが2014年4月。オープン当初は、オーナーの田辺和寛さんの友人である全国のミュージシャンがライブを行ったり、オーガニック商品を集めた市場などを開催する自由な空間として親しまれていた。そんなある日、田辺さんは一人のお客さんから、ここで映画をやりませんか?と声を掛けられる。その主は、かつて市内にあったミニシアター「フォルツァ総曲輪」で館長をされていた方。元々、映画が好きだった田辺さんは、自分も好きなドキュメンタリーを上映できるなら…と即決した。とは言うものの、映画館経営は全くの素人。大切なのは映画が好きだという思いで、映画の知識で不足しているところは逆にお客様から教えてもらうというスタンスで、2016年11月25日、シネマカフェ「ほとり座」と館名も新たにスタートを切った。

 場内は、ホームセンターで集めた材料を使って、自分たちの手でリニューアルしたハンドメイド。木の風合いが心地良いエスニック風のフロアに、南国風カウンターと5種類の椅子が20脚並ぶ。オープン当日の朝まで音響担当と二人で一睡もせずに調整したこだわりがギッシリと詰まっているのだ。人気がある最前列のリクライニングシートは、傾斜のついた背もたれが優しく身体を包み込んでくれて実に快適だ。最前列でもスクリーンまで距離が保たれているので、目線としても申し分無い。そんな最前列の中央を好まれる方がいるかと思えば、最後列の椅子を好まれる方がいたり…オープンから2年以上が経過すると、常連さんもお気に入りの席が決まってきたようだ。

 更に昨年7月には空き店舗だった1階を改装して、カフェ「HOTORI」をオープンした。コチラで提供されているサンドウィッチなどの軽食や日本茶をはじめとした様々な飲み物は生産者に会い、直接契約されている。上映までの待ち時間を過ごしても良いし、勿論、場内への持ち込みもOKだ。音楽や食、アートにまつわるイベントも多く開催しており、正にここは「食と文化のセレクトショップ」なのだ。


出典:映画館専門サイト「港町キネマ通り」
取材:2019年4月

HOTORI × ほとり座のホームページはこちら
https://hotori.jp/

語り手:大屋尚浩

平成12年から始めた映画館専門サイト「港町キネマ通り」にて全国の映画館を紹介している。自ら現地に赴き、取材から制作まで全て単独で行う傍ら、平行して日本映画専門サイト「日本映画劇場」も運営する。

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語り手:大屋尚浩

平成12年から始めた映画館専門サイト「港町キネマ通り」にて全国の映画館を紹介している。自ら現地に赴き、取材から制作まで全て単独で行う傍ら、平行して日本映画専門サイト「日本映画劇場」も運営する。

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