岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

タランティーノ伝説のはじまりの衝撃作

2024年02月14日

レザボア・ドッグス デジタルリマスター版

© 1991 Dog Eat Dog Productions, Inc. All Rights Reserved.

【出演】ハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、クリストファー・ペン、スティーヴ・ブシェミ、ローレンス・ティアニー、カーク・バルツ、エディ・バンカー、クエンティン・タランティーノ
【監督・脚本】クエンティン・タランティーノ

クセの強いキャラクター設定が物語を牽引する

クェンティン・タランティーノ監督は、次作を引退作品とすると宣言した。

『レザボア・ドッグス』は、そのタランティーノ監督のデビュー作品として知られている。

彼の自主短編映画を気に入った俳優のハーヴェイ・カイテルが、製作指揮と出演を申し出て、リメイク長編としてし映画が完成した話は、昨年公開された『クェンティン・タランティーノ 映画に愛された男』でも紹介された。

3週間半で脚本を書き上げた事や、撮影中の溢れ出る諸々の逸話は、本編の面白さに、ひょっとしたら匹敵する…かも?

ロサンゼルスが舞台。裏社会の大物として君臨するジョーは、宝石強盗を計画し、息子のエディとともに6人の実行メンバーを集める。

ホワイト、オレンジ、ブロンド、ピンク、ブルー、ブラウンと、その素性を隠すために各々にはコードネームが与えられる。

そして、計画は実行される。ところが、計画は破綻、負傷者を出しながら、命からがら、逃走したメンバーは、集合場所のアジト=倉庫に集まる。

何故、計画は上手くいかなかったのか? ついには警察への情報漏洩の疑惑が浮上し、互いを信用できない彼らは、拳銃を突きつけ合い睨み合いの膠着状態になる。

まだ無名であった撮影当時28歳の若手監督のデビュー作品は、カンヌ映画祭の特別招待作品に選出され上映された。

その時のコピーは「心臓の弱い方は鑑賞を控えて下さい」だった。裏を返せば、映画の売りは残酷な暴力描写であったことになるのだが、当時の評価は緻密な人間描写と巧みな構成力を讃える意見が多く、タランティーノは一躍カルト的な名声を浴びることになった。

映画は92年(日本公開93年)の公開から30年以上の時を経ているが、その面白さは色褪せない。所々に見える香港映画、あるいは日本のヤクザ映画の影響を感じ取れるのも、また別の楽しみ方である。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

観てみたい

100%
  • 観たい! (6)
  • 検討する (0)

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

ページトップへ戻る