岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

型破りの犯罪アクション、超一級品の娯楽映画

2024年02月14日

レザボア・ドッグス デジタルリマスター版

© 1991 Dog Eat Dog Productions, Inc. All Rights Reserved.

【出演】ハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、クリストファー・ペン、スティーヴ・ブシェミ、ローレンス・ティアニー、カーク・バルツ、エディ・バンカー、クエンティン・タランティーノ
【監督・脚本】クエンティン・タランティーノ

これまでの定石をどんどん外していく

1980年代・90年代のアメリカ・アクション映画からは、時代をけん引し、後の映画に影響を与えていく傑作が何本も現れた。

まずは、黒スーツに黒のソフト帽、レイバンのサングラスでカッコよくきめたジョン・ベルーシ&ダン・エイクロイドの傑作コメディ『ブルース・ブラザース』(1980/キネ旬9位)。不器用な刑事(ニック・ノルティ)と頭のキレるチンピラ(エディ・マーフィ)がコンビを組んで悪党を追っていく『48時間』(1982/キネ旬11位)。暴走族に誘拐された人気ロック・・シンガー(ダイアン・レイン)を救出するために元恋人(マイケル・パレ)が活躍する『ストリート・オブ・ファイヤー』(1984/キネ旬7位)。

そして28歳の映画オタク、クエンティン・タランティーノの低予算だが型破りな犯罪アクション『レザボア・ドッグス』(1992/キネ旬6位)が登場する。

1つの犯罪目的のために集められた集団が、それぞれの特技や経験をいかして目的を達成するというスタイルは、ケイパー映画(強盗映画)の代表的なストーリーであるが、『レザボア・ドッグス』は、これまでの定石をどんどん外していく。

オープニングは、コーヒーショップでギャングたちが宝石強盗の打ち合わせをしているシーンから始まるが、延々と映画の流れとは関係のない無意味な会話を続けていく。マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」の歌詞の意味で、ち〇こがどうのこうのと実にくだらない。

ストーリーは、計画から実行までを一直線に描くのではなく、ギャング1人1人が強盗団に加わるまでの経過を並行して描いていく。時間軸が行ったり来たりするが、タランティーノの構成術と演出力は素晴らしく、いささかも混乱していない。疑心案義と裏切りで雪崩のようにお話は進んでいき、呆然の結末を迎えるまで一気呵成だ。

CINEXで久しぶりに観たが面白さは抜群。超一級品の娯楽映画だ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

観てみたい

100%
  • 観たい! (14)
  • 検討する (0)

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

ページトップへ戻る