岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

「自由恋愛」か「お見合い」か?新鮮な大人のラブコメ

2024年02月06日

きっと、それは愛じゃない

© 2022 STUDIOCANAL SAS. ALL RIGHTS RESERVED.

【出演】リリー・ジェームズ、シャザド・ラティフ、シャバナ・アズミ、エマ・トンプソン、サジャル・アリー
【監督】シェカール・カプール

人種や宗教の違いによる結婚に対する価値観の多様性

結婚に至る形は千差万別さまざまで、映画やドラマの定番のテーマである。例えば2024年冬のテレビドラマでは、福士蒼汰主演の「アイのない恋人たち」や福田麻貴主演の「婚活1000本ノック」は男女の出会いを面白おかしく描いた内容で、私もおおいに楽しませてもらっている。

いずれにしろ多くの観客を魅了してきたラブコメは恋愛至上主義で、その結果としての結婚は愛あってのもの。「恋愛結婚こそが美しい愛の形なのだ!」と私たちに刷り込まれてきた。

『きっと、それは愛じゃない』は、自由恋愛を「あたりまえ」とするいわば一方的結婚観に「ちょっと待った!」と一石を投じた、案外新鮮なロマンティック・コメディーである。

好きになる相手はいつもダメンズばかりのドキュメンタリー映像作家ゾーイ(リリー・ジェームズ)と、幼なじみでパキスタン系イギリス人の医師カズ(シャザド・ラティフ)。恋愛感情よりも仲良しの友達感情が優先するのは定番中の定番の設定だ。

しかし今までとちょっと違うのは、人種や宗教の違いによる結婚に対する価値観や、「愛」に関する捉え方の多様性だ。

結婚に至るまでのプロセスが「自由恋愛」なのか、家族や親類縁者が段取りをする「お見合い」なのかは、長い結婚生活においては誤差の範囲なのではないか?とまじめに提起する。

私はたまたま恋愛結婚であるが、周りでは「お見合い」とまではいかなくとも、結婚を念頭にした「紹介」の人が多い。私も知り合い主宰の「合コン」には何度も参加したものだ。いまでも私の周辺の若者はマッチングアプリによる出会いが多い。

映画は、西洋人にとっては違和感があるかもしれないパキスタン人の結婚観について、ドキュメンタリー作家のインタビューを通して語られていく。

そんな文化の多様性の中での幼なじみの安心感と男女の恋愛観がホットでキュートで微笑ましい。等身大の素敵な大人の恋愛映画である。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

観てみたい

100%
  • 観たい! (7)
  • 検討する (0)

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

ページトップへ戻る