岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

生々しくて面白おかしい人間ドキュメンタリー

2024年02月02日

NO 選挙, NO LIFE

Ⓒネツゲン

【出演】畠山理仁
【監督】前田亜紀

畠山さんのこだわりと行動力は驚異的

私が20歳で投票権を得てからは、最初の町長選が白票、次の知事選が棄権、続いての県議選が無投票で、初めて候補者名を書いて投票したのは地元候補が出馬した町議選だ。それ以降は一度県議選で白票にしたのを除きすべて候補者名か政党名を書いて投票している。

若い頃の投票行動はフラフラしているが、棄権はもちろん白票だって与党に信任を与えるのだと理解してからは、積極的に入れたい候補がいない時でも、よりましな候補に入れるようにしている。

本作は名古屋出身の選挙の現場ルポライター畠山理仁さんの選挙取材に密着した、生々しくて面白おかしい人間ドキュメンタリーだ。

畠山さんは「全員取材できるまで書きません!」がモットーなので、政見放送でしかお目にかかれないようなユニークな候補者にももれなく取材する。

映画で取り上げられるのは、2022年執行の参院選東京選挙区に立候補した34人に取材する畠山さんの様子だ。新聞で「諸派」とされる候補者や、政党から一線を画した「無所属」候補者たちへも取材する。そのほとんどがワンイシュー(単一争点)で、「すべての子どもに1000万円」のこども党、「今の政治家では無理 無理 無理!」の議席を減らします党、ズバリ「沖縄の米軍基地を東京へ引き取る党」「バレエ大好き党」など、みんな大まじめであり、ほぼ自費で選挙活動を行っている。

畠山さんのこだわりと行動力は驚異的で、選挙の面白さを十二分に引き出している。ただ34人全員分の取材シーンがないのは何故なんだろう?

それはともかく、とにかく選挙は面白い。畠山さんの取材の目的は究極的には「とにかく選挙へ行きましょう!」なのだ。

わかるのは、支持率が下がろうが裏金問題で叩かれようが、選挙で負けなければいいということ。緊張感が無ければ反省はない。沖縄県知事選が緊迫感があるのは争点で競っているからだ。

畠山さん、これからも頑張れ!

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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