岐阜新聞 映画部

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2001年製作公開でも古くないカルト青春映画

2024年01月25日

ゴーストワールド

© 2001 Orion Pictures Distribution Corporation. All Rights Reserved.

【出演】ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン、スティーヴ・ブシェミ、ブラッド・レンフロ ほか
【監督・脚本】テリー・ツワイゴフ

スッキリしないよく分からないことで心に残る

"カルト" とは?

もとはラテン語由来の言葉で、宗教で言うところの、崇拝とか礼拝を意味していた。それがフランス語に転じて、カリスマ的な指導者を中心にした小規模な集団を指す言葉になり、カルト集団と表現されるようになり、その団体が反社会的な組織や団体であったことから、否定的な意味が先行するようになってしまった。

しかし、映画などでは、特異な支持を得たという元々の意味を交えて、カルト映画という表現が生まれたが、これは必ずしも否定的なものではなく、熱狂的な支持者を獲得した "稀な" 作品というとらえ方主流となっている。

『ゴーストワールド』は、2001年に製作公開されたアメリカ映画だが、当時から "カルト映画" という格付けで評価された作品である。

幼なじみで、常に一緒に過ごしてきたイーニドとレベッカは、高校卒業後も就職するでもなく、気ままな生活を続けていた。

そんなある日、ちょっとした好奇心と悪戯心から、新聞の出会い系広告に載っていた中年男のシーモアを標的にして尾行をはじめる。

冴えない男の代表のような存在のシーモアだったが、何故かイーニドは、その独自な生き方に興味を持ち、彼の趣味のレコードコレクションをきっかけにして、接近、交流を深めて行く。

一方、レベッカは、アパートを借りる資金を得るため、カフェで働きはじめるという、新たな一歩を踏み出す。同居生活まで計画していた仲良し2人組は、すれ違うようになってしまう。

20年以上経過しているのにも関わらず、ファッションをはじめ、ビジュアルには古びたという違和感はない。当時の評価では「可愛くて素敵なファッション」という意見が多く、カルト映画化の要因のひとつでもあった。

そしてふたりの女の子のモヤモヤを抱えた恋愛模様も普遍的で共有可能な "女心" なのである。

年齢枠はありそうだけど、クセの強い個性的な登場人物は、あなたの心のカルトな部分を刺激するかも知れない。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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