岐阜新聞 映画部

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唯一生き残ったラウの無間地獄を描くシリーズ完結編

2023年12月18日

インファナル・アフェアIII 終極無間 4K

©2003 Media Asia Films (BVI) Ltd. All Rights Reserved.

【出演】アンディ・ラウ、トニー・レオン、レオン・ライ、チェン・ダオミン
【監督】アンドリュー・ラウ、アラン・マック

激動の時代を駆け抜けた男たちの群像劇

『インファナル・アフェア』3部作は、名画座風に言えば3本立てで観たのだが、1970年~1990年代だったらオールナイト3本立ての黄金番組だったろう。あの頃は『人間の條件』3部作や『戦争と人間』3部作、『宮本武蔵』5部作などは名画座オールナイトの必殺番組だった。

私の思い出で言えば、『仁義なき戦い』5本立て以外では、監督・主演の水野晴朗さんと相棒のボンちゃんを招いてシネマスコーレのオールナイトで観た、日本映画史上屈指の凡作『シベリア超特急』4本立ての体験が強烈だ。1本は舞台版のビデオ上映で正直寝てしまった。

今回シリーズ3本目の『III 終極無間』は完結編である。

前2作を通じて唯一生き残った黒社会→警察官のラウ(アンディ・ラウ)が主役であるのだが、回想シーンでは、ヤン(トニー・レオン)や黒社会のサム(エリック・ツァン)やウォン警視(アンソニー・ウォン)も勢揃い、バンバン出てくる。

脇役もいい味を出していて、黒社会でのヤンの兄貴分的な役割のバカのキョン(チャップマン・トゥ)など、ボスのサムに「ヤンは信用できる」と食ってかかるところなど結構カッコよかったりする。

ヤンのメンタルドクターであるリー先生(ケリー・チャン)との診察シーンなど、強烈なストレスのかかる潜入捜査官の一面も見えてきて、人間味が垣間見られる。

黒社会との縁をきりたくなってきたラウの、「正体がバレる」緊張感も3作目では強調されており、録音テープの奪取シーンなど緊迫感は半端ない。

シリーズを通してみると、1997年の香港返還の激動時代を駆け抜けた男たちの群像劇の中で、イギリスの植民地で資本主義を謳歌していた市民が、一国二制度を約束されたとはいえ中国共産党の統治下になる不安が見えてくる。現在の香港は、金儲けの自由はあるが、民主化では弾圧が激しい。

3本を観終わっての心地よい疲労感は幸福な気分だ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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