岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

#Me Too 私もと声を上げた人たちのその後追った韓国発ドキュメンタリー

2023年11月27日

アフター・ミー・トゥー

© 2022 GRAMFILMS. ALL RIGHTS RESERVED

【監督】パク・ソヒョン、イ・ソミ、カン・ユ・ガラム、ソラム

個にとどめない継続の重要性にあらためて気づく

"ミー・トゥー" の狼煙は映画界から上がった。

映画界で大物プロデューサーとして君臨していた、ハーヴェイ・ワインスタインの悪行の数々が、勇気ある被害者女性たちの告発により、世に明らかになったのは2017年のことだった。

この事実が記事としてニューヨークタイムズ誌に掲載されたのは10月5日だったが、行動そのものは、2015年10月のセクハラの告発にはじまっている。しかし、この時点では、加害者は秘匿、特定されなかった。この時、声を上げた数十名の女優たちは実名を公表している。

一度上がった声はアメリカのみにとどまることはなかった。

フランスでは告発者が職を失うなどする、不当なセクハラ告発の現状の打開策として、SNSによる運動を提唱した。

ワインスタインによる被害者が多かったイタリアでは、被害者女優と作家の連携による "リツイート" の連帯が呼び掛けられた。

10月15日、女優アリッサ・ミラノが、同様の被害を受けた女性たちに向けて、"ミー・トゥー" の声を上げるようにTwitter(現・X)で呼びかけた。

ここに "#Me Too" = "私も" のツイートは世界に広がり、大きなムーブメントとなった。

『アフター・ミー・トゥー』は、運動の渦中、韓国で明らかになった課題の、その後を追った4編構成のオムニバスドキュメンタリーである。

『女子高の怪談』教師による生徒へのセクハラ・性暴力。教育の現場が最も声を上げる人が多かったという、閉鎖性の怖さ。

『100. 私の体と心は健康になった』幼少期に受けた性暴力、今も残るそのトラウマ。声を上げることの重要性を帰郷で実践しようとする。

『その後の時間』アートは性暴力阻止につながるか?発信の仕方の模索が興味深い。

『グレーセックス』恋人関係やマッチングでの出会いで生じる、被害/加害で定義できない不快感…人間関係のデリケートさに迫る。

一時に終わらせない意志を感じる力強い映画だ。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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