岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

映画づくりの裏側を解析するドキュメンタリー

2023年10月31日

ヒッチコックの映画術

© Hitchcock Ltd 2022

【監督】マーク・カズンズ

本作の演出はしつこくて重いとヒッチコックなら指摘するかも?

アルフレッド・ヒッチコックは、1899年、イーストロンドンの郊外で鶏肉店と青果物の卸売商を営む家の3人兄姉の末っ子として生まれた。

幼少期のヒッチコックは内向的で友だちもいない大人しい性格で、自分で発見した楽しい事をひとり遊びで楽しむ子どもだった。

成長したヒッチコックはエンジニアになりたいと思うようになり、専門学校で学び電気電信系の会社に就職したものの、次第にその仕事に魅力を感じなくなり、働きながらロンドン大学の美術学科の夜間コースに通い、イラストの勉強をしたりした事で芸術への志が芽生えた。

最初に映画に関わったのは、映画会社が募集していた字幕デザインに応募した事で、その仕事をプロデューサーに認められ、映画会社に入社することになった。

ヒッチコックのフィルモグラフィーによれば、監督した長編映画はその生涯で53本とされているが、その初期には未完や短編、共同監督作品などが存在する。イギリス時代の23本、アメリカに移ってからの30本、その殆どがサスペンス映画やスリラー映画である。

『ヒッチコックの映画術』はサスペンス映画の神様と称され、映画人に多大な影響を与えている巨匠アルフレッド・ヒッチコックの映画づくりを解析するドキュメンタリーである。

"ヒッチコック=映画術" と聞いて、映画ファンならすぐに思い浮かぶのは、「ヒッチコック/トリュフォー 映画術」(晶文社/66年/日本初出81年)で、これはフランスヌーベルバーグを代表する映画監督フランソワ・トリュフォーが、インタビューを基にして、映画製作のテクニックを技術から主題にまで肉薄して解析していく書で、映画づくりのバイブルとまで称されることが多い。

本作はその映像による試みだが、重複とヒッチコック自信が解析を行うという趣向="そっくりさんによるナレーション" が裏目に出て、ひつこさが気になるのが少し残念。しかし、教本としてのツボは押さえているので刺激にはなる。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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