若きダンサーの挫折からの再起を描く物語
2023年10月17日
ダンサー イン Paris
© 2022 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE – STUDIOCANAL – FRANCE 2 CINEMA Photo : EMMANUELLE JACOBSON-ROQUES
【出演】マリオン・バルボー、ホフェッシュ・シェクター、ドゥニ・ポダリデス、ミュリエル・ロバン、ピオ・マルマイ、フランソワ・シヴィル、メディ・バキ、、スエリア・ヤクーブ
【監督】セドリック・クラピッシュ
古典と前衛の分け隔てのない踊る事の意味
世界の4大バレエ団といえば
ロンドンのロイヤル、モスクワのボリショイ、サンクトペテルブルクのマリインスキー、そして、『ダンサー イン Paris』の舞台となる、パリ・オペラ座のことをいう。
パリ・オペラ座バレエの起源は、ルイ14世の時代(在位・1643~1715年)にあり、俳優で劇作家でもあるモリエールや、ピエール・ボーシャン、ジャン=パトリス・リュリに代表されるフランス演劇の古典主義の時代と一致する。
演劇において歌劇的な要素が取り入れられることになったのは、ルイ14世が宮廷娯楽の為のダンス指導を重要視するようになったことによる、宮廷主導の一面もあった。
世界最古の歴史を誇るパリ・オペラ座バレエ団では、ダンサーはエトワールから、プルミエ・ダンスール、スジェ、コリフェ、カドリーヌという5つ階級に区分されている。
そのうち最上級のエトワールには、4人という厳格な人数制限があったが、それは徐々に緩和され、現在では、18名という枠になっている。
エリーズは、パリオペラ座バレエ団でエトワールを目指し、今、その夢の実現に手が届こうとしていた。
そんなある日、恋人の裏切りを目撃した動揺から、足首を負傷してしまう。医師からは踊れなくなる可能性があることを告げられ、失意のどん底に落ちてしまう。
エリーズを演じるのは、パリ・オペラ座バレエ団のダンサーとして活躍してるマリオン・バルボーで初の映画主演となる。
監督は最早ベテランとも言えるセドリック・クラビッシュで、2010年にエトワールのひとり、オーレリ・デュポンのドキュメンタリーを手がけたことから、定期的にバレエ団の撮影を依頼されている縁が結実した企画でもある。
オープニングの15分にも及ぶ、圧巻のバレエシークエンス、加えてクラッシックと対極にありながらも、ダンスとしての融合を見せるコンテンポラリーダンスの素晴らしさも堪能できる。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。