岐阜新聞 映画部

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クラシックバレエとコンテンポラリーダンス、見事な踊り

2023年10月17日

ダンサー イン Paris

© 2022 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE – STUDIOCANAL – FRANCE 2 CINEMA Photo : EMMANUELLE JACOBSON-ROQUES

【出演】マリオン・バルボー、ホフェッシュ・シェクター、ドゥニ・ポダリデス、ミュリエル・ロバン、ピオ・マルマイ、フランソワ・シヴィル、メディ・バキ、、スエリア・ヤクーブ
【監督】セドリック・クラピッシュ

ダンスは言語を介しない世界共通語だ

形式美を重んじ調和のとれた踊りが特徴のクラシックバレエ。本作で、パリ・オペラ座バレエ団のダンサー・エリーズ役を演じるのは、同バレエ団に所属する現役バリバリのバレリーナ、マリオン・バルボーだ。

彼女のバレエ団での階級は、5つある階級の中の上から2番目のプルミエール・ダンスーズだ。映画の中の役柄も現実の彼女も、最高位のエトワールを目指しているのはまさに一緒でシンクロしており、真剣勝負で踊る冒頭の15分間は、演じているのでなく本物だけに、表現も技術も圧倒的だ。

2024年に4年ぶりに来日公演を控えているパリ・オペラ座バレエ団の創立は1661年。太陽王ルイ14世が創立した世界最古のバレエ団で、1980年代にはルドルフ・ヌレエフが芸術監督を勤めていた。ちなみに2023年3月に日本生まれのオニール八菜がエトワールに任命されている。

お話の方は、恋人に裏切られ足首を怪我してしまったバレエ一筋のエリーズが、周囲に助けられながら挫折を乗り越え、未知のダンスに出会ったことで新たな自分を発見していくという黄金パターンだ。ダンスを見せる映画なので、むしろストーリーはシンプルな方が踊りに没入しやすい。

ケータリングのアルバイトをしていたエリーズが出会ったのが、コンテンポラリーダンスだ。

テクニックや表現形態に共通の形式を持たない自由なダンスで、東京オリンピック2020の開会式での森山未來さんや、CINEX映画塾に来ていただいた生島翔さんらのダンスが、コンテンポラリーダンスである。

映画の中でマリオン・バルボーは、コンテ(コンテンポラリーダンス)を見事に踊りこなしている。振付と音楽を担当し、本人役でも出演しているコンテ第一人者のホフェッシュ・シェクターの指導もあるだろうが、最後4分間のコンテは圧巻だ。

ダンスは言語を介しない世界共通語である。本作を観て踊りの世界に浸りましょう。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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