岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

7つの女性の声で紡ぐオムニバス映画

2023年10月10日

私たちの声

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【出演】ジェニファー・ハドソン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、カーラ・デルヴィーニュ、エヴァ・ロンゴリア、杏、マルゲリータ・ブイ、ジャクリーン・フェルナンデス
【監督】タラジ・P・ヘンソン、キャサリン・ハードウィック、ルシア・プエンソ、呉 美保、マリア・ソーレ・トニャッツィ、リーナ・ヤーダヴ 、ルチア・ブルゲローニ&シルヴィア・カロッビオ

生きるためのまなざしが美しい

映画作りの現場は、3K、もしくは、それ以上の劣悪な職場環境で、男のみが活躍できる風潮が蔓延していた。勿論、そういう先入観が偏見を助長するわけだが、そんな事もあり、女性映画監督は稀な存在だった。

女性が活躍できる社会には疎いと、残念な評価を受けている日本のみならず、欧米においても、こと映画の世界では遅れを取っていた。

ジェンダー平等が叫ばれる現代。世界で活躍する女性監督と女優たちがタッグを組み、女性を主人公にした7つの物語で構成されたのが、本作『私たちの声』である。

「ペプシとキム」(タラジ・P・ヘンソン監督)
重度の薬物依存で刑務所に収監されたキムと別人格ペプシとの闘い。

「無限の思いやり」(キャサリン・ハードウィック監督)
コロナ禍のホームレスと医師の交流。

「帰郷」(ルシア・プエンソ監督)
家族とは疎遠だったキャリアウーマンが、妹の遺した子どもと出会い、見失っていた愛に目覚める。

「私の一週間」(呉美保監督)
育児と仕事に翻弄されるシングルマザー。

「声なきサイン」(マリア・ソーレ・トニャッツィー監督)
多忙に振り回されていた女性獣医の特別な一夜。

「シェアライド」(リーナ・ヤーダヴ監督)
キャリア整形外科医とトランスジェンダー女性との出会いから生まれる新たな気づきの物語。

「アリア」(ルチア・ブルゲローニ.シルヴィア・カロッビオ監督)
暗い世界に閉じこもっていた女性が、明るい自我=外の世界に目覚めるアニメーション。

日本版を監督した呉美保監督は、実に8年ぶりとなる作品で、出産、育児の実体験が反映されている。

それぞれ、女性には優しくない世界で、生きる為の工夫や決断が描かれているが、じっくりと長編で観たい欲求に駆られるのは贅沢か?

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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