岐阜新聞 映画部

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親友を失った少年の悲しみと後悔を描いた傑作

2023年08月21日

CLOSE/クロース

© Menuet / Diaphana Films / Topkapi Films / Versus Production 2022

【出演】エデン・ダンブリン、グスタフ・ドゥ・ワエル、エミリー・ドゥケンヌ
【監督】ルーカス・ドン

スケッチのような自然なタッチと瑞々しい演技

「対峙」、「The Son/息子」、「アルマゲドン・タイム ある日々の肖像」など今年の外国映画には、大切な人を失った悲しみ、無念、後悔を描いた傑作が多い。そしてルーカス・ドン監督の「CLOSE/クロース」も親友を失った13歳の少年の後悔を繊細に描いた傑作であった。

親友といつも一緒にいる仲の良さを、カップルみたいと学校でからかわれた主人公の少年が、人目を気にして親友と距離を置くことで悲劇が起こり。後悔の念に苛まれる。

是枝裕和監督の「怪物」や、ジェームズ・グレイ監督の「アルマゲドン・タイム ある日々の肖像」と共通点も多い内容で、学校という集団の中で、自分の感情を偽ってしまう思春期の少年の心の痛みが見事に描かれている。

親友ふたりのただ一緒にいたいという純粋な気持ちが、学校という集団の中で歪められてしまう残酷さが切ない。

また最愛の我が子を失った親の悲しみも胸を打つ。

ルーカス・ドン監督は、トランスジェンダーの主人公がバレリーナを目指す「Girl ガール」で、カンヌ国際映画祭のカメラドール(新人監督賞)を受賞したベルギー出身の若手監督で、長編第2作であるこの「CLOSE/クロース」はカンヌ国際映画祭コンペティション部門でグランプリを獲得し、アカデミー賞でも国際長編映画賞にノミネートされた。

主人公のレオを演じたエデン・ダンブリンと、親友のレミを演じたグスタフ・ドゥ・ワエリは共に映画初出演。ふたりの瑞々しい演技が素晴らしい。

スケッチのようなとても自然な演出タッチで、少年たちの心の揺れを的確に描いた珠玉の青春映画をお見逃しなく。

語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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