岐阜新聞 映画部

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アートの見方が変わります!白鳥さんといく美術館鑑賞法

2023年08月10日

目の見えない白鳥さん、アートを見にいく

©️ALPS PICTURES INC.

【出演】白鳥建二、佐藤麻衣子、森山純子 ほか
【監督】三好大輔、川内有緒

人によって見え方いろいろ、問答しながら楽しむ

私は美術館には年に数回行くが、絵画や彫刻をどう味わったらいいのかイマイチわからない。友人の画家に聞いても「気に入った作品だけじっと見ればいい」と言われるだけで、チンプンカンプンだ。展覧会でもせいぜい1点1~2分、早ければ30分くらいで出てきてしまう。

そんな長年の悩みと疑問が、『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』でわかったような気がしてきた。「全盲の人がアートを見る」という、にわかには信じがたい行動によって、「全盲の人には無理」という思い込みが、晴眼者の偏見であることがよくわかる。

白鳥さんの鑑賞法は、晴眼者の人と一緒に作品を見ながら、晴眼者が「ああだこうだ」と見たままの感じや印象を言うのを聞いて、笑ったり問答したりして楽しむことなのだ。そこには専門家が解説するような画家の狙いやテーマ、構図や技術論など不要で、見たままに「猫が丸まったように見える」とか「目力がすごい」でいい。

ディスリンピックという作品で、バベルの塔みたいな階段状の段に、色んな人が走っているところの晴眼者の友人の感想に対し、白鳥さんの「結局同じところをぐるぐる廻っているんだね」という感想など実に秀逸である。

さらに作品の見え方も感じ方も人それぞれ、人によって見えているところと見えていないところが違うのだとよくわかる。時には1作品を20~30分かけて見るので、最初の印象と違ってくることもある。白鳥さんと行くと、アート鑑賞が実に面白いのだ。

白鳥健二さん(53)は、「そもそも"見えない"という状態が普通」なので、「見えないと大変だね」と言われることに違和感があったらしい。だから、大学生のとき彼女が「美術館に行きたい」と言ったら「デートにいいじゃん」と速攻で承諾したらしい。それが今に至るスタートだ。

映画には「盲人だけど頑張っている」視点など一切ない。酒が大好きな普通の気のいいおっさんなのだ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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