岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

ジェームズ・グレイ監督の子ども時代の半自伝的映画

2023年06月19日

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像

© 2022 Focus Features, LLC.

【出演】アン・ハサウェイ、ジェレミー・ストロング、バンクス・レペタ、ジェイリン・ウェッブ、アンソニー・ホプキンス
【監督・脚本・製作】ジェームズ・グレイ

出来の悪い映画では無いが、独り善がり

本作の「キネ旬Review」での評価は、評論家3人とも☆4つの高評価。お馴染み「Rotten Tomatoes」のTOMATOMETERは75%で高め。私が毎月出席する映画合評会「スコーレサロン」のみんなの評価も好評。

世間的にはおおむね“いい映画”だと認識されているが、わたし的には「出来の悪い映画では無いが、独り善がりで嫌いな映画」としか思えなかった。鑑賞直後からそうで、スコーレサロンでの合評会でのみんなの感想を聞いて「そういう見方もあるのか」と思いはしたが、やはり自分には合わないと再認識した。ちなみに「Rotten Tomatoes」の一般視聴者による評価AUDIENCE SCOREは48%と低くなっている。

ジェームズ・グレイ監督の子ども時代の半自伝的映画ということで、「自分にとって都合のいい歴史」になってしまうのは百も承知の上で、それでも傑作となる映画は数多くあるが、この映画は「子どもの頃は変わり者でヤンチャやったり犯罪まがいなこともしたが、少なくとも黒人の少年は差別せず仲良く遊んだんだ。厳格で保守的な学校に転校させられたが、俺は13歳でそんな学校に見切りを付けたんだぜ」と描いている。

監督の分身であるポール(バンクス・レペタ)は、仲良くなった黒人の少年ジョニー(ジャイリン・ウェッブ)とトイレでハッパを吸ったり、学校からパソコンを盗み出したり悪事を重ねる。

ポールは絵は上手いが変わり者で、学校からは"勉強についていけない"とレッテルを貼られている。いまでいう発達障害(アスペルガー)だとは思うが、だからと言って犯罪が許されるわけがない。あまたの発達障害当事者達には迷惑このうえないのだ。

結局世の中は理不尽なことだらけ、それを学んだということはわかるが、結局現実は成功しているじゃん!

と文句を並べたてたが、これはあくまでも私の感想。間違いなく見応えはある。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

観てみたい

90%
  • 観たい! (9)
  • 検討する (1)

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

ページトップへ戻る