岐阜新聞 映画部

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名コンビ復活 シムノン=ルコントによるメグレ警視ミステリー

2023年05月02日

メグレと若い女の死

©2021 CINÉ-@ F COMME FILM SND SCOPE PICTURES.

【出演】ジェラール・ドパルデュー、ジャド・ラベスト、メラニー・ベルニエ、オーロール・クレマン、アンドレ・ウィルム
【監督】パトリス・ルコント

医師からメタボを警告されるメグレ警視のリアル

小説や映画では様々な探偵が存在し活躍する。

例えば、日本では江戸川乱歩の明智小五郎。横溝正史の金田一耕助。

イギリスでは、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズ。アガサ・クリスティのポアロやミス・マープル。

アメリカならダシール・ハメットのサム・スペード、コンチネンタル・オプ。レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロー。

難事件を次々に解決する探偵たち。

『メグレと若い女の死』は、題名にあるメグレ警視が主人公の探偵となる。原作はフランスの小説家ジョルジュ・シムノンで、メグレ警視が活躍する探偵小説は長短合わせると300を超す。

シムノンの小説で初めてメグレ警視が登場するのは1930年の『刑事』。翌31年に発表した『男の首』が、33年にジュリアン・デュヴィヴィエ監督によって早くも映画化(邦題『モンパルナスの夜』)されている。

本作の監督はパトリス・ルコントで、8年ぶりの長編映画となる。ルコント監督とシムノン原作のコラボは『仕立て屋の恋』(1989年/日本公開92年)がある。パトリス・ルコントと言えば、1991年に公開された『髪結いの亭主』が、日本ではルコントの名を認識する最初の作品となったが、製作順ではこちらが先行している。

シムノンの原作小説は1954年に出版された『メグレとジューン・モルテ』で、1973年にテレビで映像化されている。

1953年フランス・パリのモンパルナスにあるパンティミーユ広場で、若い女性の遺体が発見される。その身体には5か所の刺し傷があり、血に染まったシルクのイブニングドレスは、若い女性には不釣り合いな高級なシルク製だった。

メグレ警視はフランスを代表する名優ジェラール・ドパルデューが演じる。

犯人探しというよりも、刑事 VS 関係者との駆引きに重点が置かれる心理サスペンス。そしてほのかな恋が見え隠れするのは、ルコントらしい味つけ。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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