岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

ミニシアターにエールを送るハートフルムービー

2023年02月20日

銀平町シネマブルース

©2022「銀平町シネマブルース」製作委員会

【出演】小出恵介、吹越満、宇野祥平、藤原さくら、日高七海、中島歩、黒田卓也、木口健太、小野莉奈、平井亜門、守屋文雄、関町知弘(ライス)、小鷹狩八、谷田ラナ、さとうほなみ、加治将樹、片岡礼子、藤田朋子/浅田美代子、渡辺裕之
【監督】城定秀夫

映画って、本当にいいもんですよ

2020年の4月中旬から約1か月、コロナによる緊急事態宣言で映画館から映画が消えた。ひと時の夢を見たり現実を直視したり、みんなで一緒に泣いたり笑ったりが出来なくなったのだ。なかでもミニシアターは、元々ギリギリで運営していたところが多く、いきなり苦境に陥ってしまった。

世界中の名作が観られるのも、無名の監督のインディーズ映画が観られるのも、世界に誇るミニシアターがあってこそ。映画に関するイベントやトークショー、そして心を許せる映画仲間に出会えたのもミニシアター。私の映画ライフの中心はミニシアターなのだ。

本作は、ミニシアターを愛する映画人たちが、日本の豊かな映画文化を支えているミニシアターにエールを送ると共に、映画を映画館で観るという素晴らしさを改めて教えてくれるハートフルムービーだ。

そんな映画を会社帰りの金曜の夜に、お気に入りのミニシアター(CINEX)で観られる喜び。さらに上映後は主演の小出恵介さんと助演の宇野翔平さんのトークショーまで付いているという嬉しさ。映画ファンでよかった、生きててよかったと思える瞬間だ。

映画の中で何度も出てくるセリフ「映画って、本当にいいもんですよ」。映画評論家の水野晴郎さんが使ったフレーズで、「何がいい」「どこがいい」などと説明せず、「理屈抜きでいい」というのが実にシンプルで、映画愛が伝わってくる。

控えめで優しく爽やかな好青年役の小出さん、図々しくてときおりエキセントリックになる宇野さん、思い付きで行動しピンチになってもへこたれない映画館主役の吹越満さん、残念なイケメンを演じたら右に出るものがない中島歩さんなど、俳優はイメージ通り。小バジェットの映画内映画はゾンビと決まっているのもバカに可笑しい。

さらに上映中の映画やポスターにチラシ、セリフや場面に至るまで映画マニアへのサービスがたっぷり。「理屈抜き」」に楽しい映画だ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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