岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

耳学問で学んだ黒人難民チームの結果は如何に?

2023年02月07日

チーム・ジンバブエのソムリエたち

©2020 Third Man Films Pty Ltd

【監督】ワーウィック・ロス、ロバート・コー

ワインに関する推理とうんちくが楽しい

取引先の酒問屋で、5,000円の2022年ボジョレーヌーヴォーを解禁日前日に手に入れた。いつもは450円のワインを飲んでいるが、初めて口にしたボジョレーは、素人でも明らかにわかるブドウを感じる極上のワインだった。酔うのでなく味わうお酒なのだ。

ワインのブラインド・テイスティングのポイントは、「外観」「香り」「味わい」の3つだそうだ。ソムリエからグラスにうやうやしく注がれたワインを、見て嗅いで口に含む。そして余韻を楽しみながら品種や産地や収穫年などを探り当てていく。

本作の主役であるジンバブエ出身の4人のソムリエたちは、全員南アフリカへ逃れた難民だ。ワインのワの字も知らない"ワイン真空地帯"の黒人である。

ワインのテイスティング選手権は余裕のある先進国のお大尽遊びのイメージが強いが、そこへ黒人難民チームが参戦したのだ。日本には「判官びいき」という「弱い立場の人をひいきしたくなる感情」というのがあるが、おそらく世界中の人も、"チーム・ジンバブエ"を応援したくなるに違いない。映画の中でワインジャーナリストがいみじくも言う「エジプトがスキー選手を集めてオリンピックに出るようなもの」だから痛快なのである。

  映画の前半は、全く知らないどおしだった4人のこれまでの人生の紹介。隣国南アフリカに逃れた彼らがレストランに職を得て、耳学問と実体験でソムリエになっていく過程を追っていく。

そしてチームが結成され、フランス・ブルゴーニュでのワインテイスティング選手権へ。渡航資金はクラウドファンディングで集め、選手権のコーチは昔活躍したことがある、チョット老いぼれで口の悪いワインオタクに依頼する。その結果は映画を観てのお楽しみだ。

ワインの銘柄当ては、テレビの「芸能人格付けチェック」でもお馴染みだが、酒飲みの私としては「ワインに関するうんちく」で面倒くさがられたい気もする。迷惑だけどね。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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