岐阜新聞 映画部

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ジョン・レノンの生い立ちを知りたければ必見の映画

2023年01月16日

ジョン・レノン~音楽で世界を変えた男の真実~

©SEIS Productions Limited

【出演】ロッド・デイヴィス、ビル・スミス、コリン・ハントン、レン・ギャリー、チャズ・ニュービー、デヴィッド・ベッドフォード、ポール・ファーリー
【監督・編集】ロジャー・アプルトン

悪ガキだった少年時代、知らなかったジョン・レノンの姿

ファンを名乗る男からの射殺という衝撃的な死から42年、ジョン・レノンは音楽の教科書にも載るような"伝説的な偉人"となる。そして彼の「イマジン」は、"平和の象徴"として平昌・東京・北京のオリンピック開会式に3回連続で使われ、現代の「第九」(ベートーヴェン)のように扱われているのだ。

私はビートルズ世代ではなく、洋楽に接するようになった中高時代には既に伝説の人であった。その風貌からして仙人みたいな孤高の人で、悟りを開いた聖人みたい。おまけに二度目の奥さんが日本人のオノ・ヨーコという、世間知らずの青年にはリスペクトせずにいられない存在であった。

  しかしそんな人間がほぼ存在しないことは、歳をとってくると段々わかってくる。人はいざとなると意地悪で狡猾で最後は裏切ったりするのだ。

  本作は、ジョン・レノンが生まれてからビートルズを結成するまでのリヴァプール時代を描いたビートルズ結成前の話、インタビューを中心としたドキュメンタリー映画だ。

  私のジョン・レノンのパブリック・イメージは、CINEXでも公開された『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』でのシニカルで人を喰ったような対応で、まずは覆された。どちらかというとめんどくさい奴。

本作の一番古い友人たちの証言を聞くと、悪ガキっていうか不良だったことがよくわかる。両親と早くに別れ叔母夫妻に育てられた過去は有名だが、子どもの頃は万引きをしたり、人に命令して弱い者いじめをしたり、結構ひどい奴であったのだ。まあ天下をとるような奴に、いわゆる"(ヒトの)いい奴"なんていないのだが、わが意を得たりである。古い友人たちの証言は面白く、出身地リヴァプールの様子も含め、すべてが血肉になっていることがわかる。

ビートルズ研究家によれば知らなかった事実や貴重な写真が次々と出てきたようだ。ジョン・レノンの生い立ちを知りたければ必見の映画である。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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