岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品ひみつのなっちゃん。 B! ドラッグクイーントリオの珍ロードムービー 2023年01月13日 ひみつのなっちゃん。 ©2023「ひみつのなっちゃん。」製作委員会 【出演】滝藤賢一、渡部秀、前野朋哉、カンニング竹山、豊本明長、本多力、岩永洋昭、永田薫、市ノ瀬アオ(821)、アンジェリカ、生稲晃子、菅原大吉・本田博太郎・松原智恵子 【監督・脚本】田中和次朗 レッツダンシング!郡上おどりは来る人拒まず スポットライト。煌びやかな衣裳。妖しげな流し目。踊るドラッグクイーン・バージン(滝藤賢一)。それは幻のステージ…と、携帯電話の受信音に一気に現実に戻される。 それは、"なっちゃん" の急死知らせる電話だった。 病院の霊安室。安らか(?)なデスマスクのなっちゃん(カンニング竹山)を見て泣き崩れるバージン。知らせてきた、なっちゃんの店で働くモリリン(渡部秀)から事情を聞き、状況は把握するが、親しかったはずなのに、なっちゃんについて、住んでいる場所も、近親者のことも知らないことに愕然とする。 『ひみつのなっちゃん。』は、友人であり大恩人でもあった "なっちゃん" の急死に遭遇したドラッグクイーン3人が、その葬儀に参列するため、なっちゃんの故郷である岐阜県郡上市を目指す、ロードムービーである。 なっちゃんの住処探索に加わるのは、テレビでも活躍するお笑い担当のズブ子(前野朋哉)。伝説の業界の生き字引、妖怪ババアのもとを訪ね、古文書化した履歴書から、何とかアパートの場所を突きとめ、部屋に忍び込んだのもつかの間、なっちゃんの母親(松原智恵子)がやって来る。突発遭遇を危うくかわしたものの、故郷・郡上での葬儀参列の約束をしてしまう。 監督は長編デビューとなる田中和次朗。本作は自身が愛してやまない、ビリー・ワイルダー監督の『お熱いのがお好き』(1959年)をモチーフにしていると、インタビューなどで語っている。 ジェリー(ジャック・レモン)、ジョー(トニー・カーティス)、シュガー(マリリン・モンロー)のトリオは、そのまま本作のトリオに当てはまるわけではないし、列車の旅は自動車に変わってはいるが…。 繰り広げられる道中記のエピソードは、強引な導入と尻切れ蜻蛉になるのが弱点だが、人情溢れる友情にはほっこりさせられる。郡上おどりをリスペクトする終盤のドラッグクイーンダンスと、葬儀での "オチ" も上手いが、主役であるバージンが踊らないままなのラストは些か肩透かし。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (12)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2023年09月26日 / 君は行く先を知らない 暢気なユーモアが緊張に変わるロードムービー 2023年09月26日 / 君は行く先を知らない シリアスな内容を、ユーモアと詩情で包んだ瑞々しい映画 2023年09月25日 / ふたりのマエストロ 指揮者親子のハートフルコメディ more 2021年04月14日 / 宮崎キネマ館(宮崎県) 南国の街で良質な映画を送り続けるミニシアター 2019年04月24日 / 高知あたご劇場(高知県) 高知市内に創業当時の姿で映画の火を灯す 2018年11月28日 / 浦河大黒座(北海道) ロビーに海鳥の声が聞こえる北の港町にある小さな映画館 more
レッツダンシング!郡上おどりは来る人拒まず
スポットライト。煌びやかな衣裳。妖しげな流し目。踊るドラッグクイーン・バージン(滝藤賢一)。それは幻のステージ…と、携帯電話の受信音に一気に現実に戻される。
それは、"なっちゃん" の急死知らせる電話だった。
病院の霊安室。安らか(?)なデスマスクのなっちゃん(カンニング竹山)を見て泣き崩れるバージン。知らせてきた、なっちゃんの店で働くモリリン(渡部秀)から事情を聞き、状況は把握するが、親しかったはずなのに、なっちゃんについて、住んでいる場所も、近親者のことも知らないことに愕然とする。
『ひみつのなっちゃん。』は、友人であり大恩人でもあった "なっちゃん" の急死に遭遇したドラッグクイーン3人が、その葬儀に参列するため、なっちゃんの故郷である岐阜県郡上市を目指す、ロードムービーである。
なっちゃんの住処探索に加わるのは、テレビでも活躍するお笑い担当のズブ子(前野朋哉)。伝説の業界の生き字引、妖怪ババアのもとを訪ね、古文書化した履歴書から、何とかアパートの場所を突きとめ、部屋に忍び込んだのもつかの間、なっちゃんの母親(松原智恵子)がやって来る。突発遭遇を危うくかわしたものの、故郷・郡上での葬儀参列の約束をしてしまう。
監督は長編デビューとなる田中和次朗。本作は自身が愛してやまない、ビリー・ワイルダー監督の『お熱いのがお好き』(1959年)をモチーフにしていると、インタビューなどで語っている。
ジェリー(ジャック・レモン)、ジョー(トニー・カーティス)、シュガー(マリリン・モンロー)のトリオは、そのまま本作のトリオに当てはまるわけではないし、列車の旅は自動車に変わってはいるが…。
繰り広げられる道中記のエピソードは、強引な導入と尻切れ蜻蛉になるのが弱点だが、人情溢れる友情にはほっこりさせられる。郡上おどりをリスペクトする終盤のドラッグクイーンダンスと、葬儀での "オチ" も上手いが、主役であるバージンが踊らないままなのラストは些か肩透かし。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。