岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

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"愛豚" 奪還に立ち上がる男の闘い

2022年12月07日

PIG/ピッグ

2020 Copyright © AI Film Entertainment, LLC

【出演】ニコラス・ケイジ、アレックス・ウルフ、アダム・アーキン、カサンドラ・バイオレット
【監督・脚本】マイケル・サルノスキ

折角探し当てたトリュフを豚は食べてしまう

世界三大珍味と言えば、キャビア、ファグラ、トリュフが有名。これには諸説あって、ツバメの巣が入る入らないとか?中国の三大珍味と言えば、フカヒレ、アワビ、ツバメの巣。日本のそれは、ウニ、からすみ、このわた、らしいのですが、いずれにしろその由来とかは曖昧で、確かなことはわからない。読み人知らず、ということらしい。敢えて付け加えれば、手には入り辛い、高級な、という希少性からくるものなのかも知れない。

『PIG/ピッグ』ではトリュフが登場する。

トリュフは、スープに浮かべたり、パスタ料理に振りかけたり、どちらかと言えば、脇役、引き立て役のイメージがあるのですが、食通のコメントなどで強調されるのは味ではなく香りの方。学術的な分類をするとややこしくなるのですが、木の根に生息する菌類ということで言えば、キノコの類ということになる。日本名では "松露(ショウロ)" と表して、収穫もできるものなのに、国産トリュフなどと言って商品化されることは稀。でも、種名に松がついていたりすることで、松茸をイメージする。ところが香りは別もの。松茸の香りを好むのは日本人だけと言っても過言ではなく、一方、トリュフの香りは日本人にはピンとこないもの。グルメには批判されそうですが、トリュフの香りは、体臭に例えられたり、ガソリンなどの揮発油に近いという表現がある。味覚それも臭覚を伴えば、様々ということかも知れない。

オレゴンの山中で隠遁生活をするロブ(ニコラス・ケイジ)の唯一の相棒は、トリュフ探しの "鼻利き豚" 。街からやって来るトリュフの買付人がいて、その収穫はお墨付きを得ている。

ある夜、何者かの手により ”愛豚" が誘拐されてしまう。救出に向かうべく、決死の覚悟で山を降りるロブ。いくつかの聞き込みをすることで、断絶した人間関係の過去が明らかになる。

ロブを演じるのはニコラス・ケイジで、ギラギラしたイメージは封印し、オーラを消した裏ぶれた雰囲気から、一転する切替えで存在感を醸し出す。怪しげな展開から、落し所は想像の範囲内で、些か、尻すぼみなのが少し残念。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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