岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

人生を豊かにしてくれる出会いを描く秀作

2022年11月24日

線は、僕を描く

©砥上裕將/講談社 ©2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

【出演】横浜流星、清原果耶、細田佳央太、河合優実、矢島健一 夙川アトム 井上想良/富田靖子、江口洋介/三浦友和
【監督】小泉徳宏

水墨画の世界の奥深い魅力を見事に活写

「ちはやふる」三部作を撮った小泉徳宏監督の新作「線は、僕を描く」は素敵な青春映画だ。

家族を失い深い喪失感を抱える主人公の再生の物語。その点で、「マイ・ブロークン・マリコ」との相似性も感じられるが、再生への道は大きく異なる。

水墨画の世界を題材にした砥上裕将の同名小説の映画化、大学生の主人公・青山霜介(横浜流星)は、アルバイト先で水墨画と出会い、その巨匠から声を掛けられ水墨画を学ぶことになる。そして水墨画に打ち込むことで生きがいを見出し、悲しみを乗り越えて新しい人生のスタートを切る。

地味な題材である水墨画の世界が、とても魅力的に描かれていることに驚かされる。競技かるたを魅力的に描いた手腕は、水墨画の世界の奥深い豊かさと美しさをも見事に活写してみせる。

登場人物のキャラクターもすこぶる魅力的。師匠役の三浦友和のおおらかさ、一番弟子の江口洋介の温かさ(「アキラとあきら」に続き印象的な好演)、そして横浜流星と清原果耶のナイーブさ。今年、横浜流星の出演作を観るのは3本目だが、皆個性の異なる役柄で演技の幅の広さに感心させられる。

人との出会い、夢中になれるものとの出会いが人生を豊かにすることを、説得力のある語り口で描いた秀作である。

語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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