岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

ゲイの水球チームが巻き込まれる大騒動の脱出劇

2022年11月16日

シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ

© 2022 LES IMPRODUCTIBLES - KALY PRODUCTIONS - FLAG - MIRAI PICTURES - LE GALLO FILMS

【出演】ニコラ・コブ、ミカエル・アビブル、デイヴィット・バイオット、ロマン・ランクリー、ローランド・メノウ、ジェフリー・クエット、ロマン・ブロー、フェリックス・マルティネス、ビラル・エル・アトレビー、ピエール・サミュエル、ブリアナ・ギガンテ ほか
【監督・脚本】セドリック・ル・ギャロ、マキシム・ゴヴァール

矯正施設は何処かにあるし差別は現在進行形

本作は2021年に公開された『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』の続編で、実在するゲイの水球チーム "シャイニー・シュリンプス"をモデルにしたヒューマン・コメディである。

前作は、同性愛者への中傷の罰として、ゲイのメンバーで構成されたアマチュアの水球チームのコーチを担当することになってしまう、元オリンピック水泳選手のマチアスの、所謂、巻き込まれの奮闘ぶりを描いている。使命は弱体チームを国際試合に耐えうるチームに作り上げることだが、キャラクターとしての人物説明が強烈で、コメディとしては笑えるが、スポーツとしての水球が描かれることは少なく、いささか拍子抜けした。

マチアス(ニコラ・ゴブ)コーチのもと、"シャイニーシュリンプス" は健在。いつもながらの罵り合いの喧嘩が続くがそこに悪意はない。そこに新入りのメンバーがやって来る。チームの強化を狙った補強だったが、内実を知らせていないことがネック。案の定、ゲイだらけのチームの顔ぶれに、即退団の危機が迫る。

チームは、東京で開催される "ゲイゲームズ" への出場が目前に迫っていた。

"ゲイゲームズ" は、ゲイゲームズ連盟によって、夏季オリンピックの中間年に開催される、同性愛者を対象にした総合競技大会で1982年に始まった。当初は、"ゲイ・オリンピック" の名称予定だったが、国際オリンピック委員会=IOCなどが、オリンピックの使用を禁じたため、この名称になったとされる。差別の根はその頃からあった。

チームはなんとか東京行きの飛行機に乗り込む。途中、経費節減のための乗換えの行程だったが、手違いにより24時間の空白が生じてしまう。 降り立った地は、東方のどこか?

突然の自由な時間を楽しもうと、メンバーのひとりが危険を承知で、マッチングアプリを利用する。それが案の定、大騒動に発展してしまう。

LGBTQの人たちが抱えるジレンマや葛藤もそれなりに描かれていて、卒なく見えはするが、水球チームはやっぱりダンスチームで再び拍子抜け。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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