岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品百花 B! 映画館でこそ味わいたい余韻のある秀作 2022年11月07日 百花 Ⓒ2022「百花」製作委員会 【出演】菅田将暉、原田美枝子、長澤まさみ/北村有起哉、岡山天音、河合優実、長塚圭史、板谷由夏、神野三鈴/永瀬正敏 【監督】川村元気 原田美枝子と菅田将暉の演技に魅了される 「告白」、「悪人」、「モテキ」、「おおかみこどもの雨と雪」、「君の名は。」、「天気の子」など、次々と話題作をプロデュースした川村元気が、自身4作目となる同名小説を映画化した初長編監督作。 記憶に残る映画には余白がある。何から何まで描きすぎて、観客の想像力をすべて奪い取る映画は忘れ去られることが多い。 映画「百花」には、観客が想像力で余白を埋める楽しみがある。ながら見では得られない、映画館の暗闇で味わう映画の良さがある。 川村元気監督は、認知症と診断された母親(原田美枝子)と、その息子(菅田将暉)の物語をワンシーンワンカットで撮った。演じるというより、ひとりの女性の半生(回想シーンの若き日から老いた現在まで)をスクリーン上で生きてみせた原田美枝子が素晴らしい。息子役の菅田将暉のリアクション演技もとても自然でいい。 小学生時代に母親に置き去りにされた心の傷を抱えた息子が、アルツハイマー型認知症により徐々に記憶が失われていく現在の母親の部屋から発見したノートの内容。そして、母親がもう一度見たいという半分の花火とは。本当の母親の思いを知る息子の切なくも心に残る作品である。 語り手:井上 章映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。 100% 観たい! (12)検討する (0) 語り手:井上 章映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。 2023年12月04日 / おしょりん メガネ作りを地域産業にした挑戦と情熱の物語 2023年12月04日 / おしょりん 増永兄弟の艱難辛苦のサクセスストーリー 2023年11月29日 / 私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰? 権力と闘う信念の女性の生き様で描く政治映画 more 2022年10月26日 / 呉ポポロシアター(広島県) 市民の生活を支える商店街にある街の映画館。 2019年12月25日 / 佐世保シネマボックス太陽(長崎県) 戦前・戦後と造船の街として栄えた繁華街にともる映画の灯 2018年02月15日 / 高松ホールソレイユ(香川県) 戦後、ありったけの資材を集めて設立したシンボル more
原田美枝子と菅田将暉の演技に魅了される
「告白」、「悪人」、「モテキ」、「おおかみこどもの雨と雪」、「君の名は。」、「天気の子」など、次々と話題作をプロデュースした川村元気が、自身4作目となる同名小説を映画化した初長編監督作。
記憶に残る映画には余白がある。何から何まで描きすぎて、観客の想像力をすべて奪い取る映画は忘れ去られることが多い。
映画「百花」には、観客が想像力で余白を埋める楽しみがある。ながら見では得られない、映画館の暗闇で味わう映画の良さがある。
川村元気監督は、認知症と診断された母親(原田美枝子)と、その息子(菅田将暉)の物語をワンシーンワンカットで撮った。演じるというより、ひとりの女性の半生(回想シーンの若き日から老いた現在まで)をスクリーン上で生きてみせた原田美枝子が素晴らしい。息子役の菅田将暉のリアクション演技もとても自然でいい。
小学生時代に母親に置き去りにされた心の傷を抱えた息子が、アルツハイマー型認知症により徐々に記憶が失われていく現在の母親の部屋から発見したノートの内容。そして、母親がもう一度見たいという半分の花火とは。本当の母親の思いを知る息子の切なくも心に残る作品である。
語り手:井上 章
映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。
語り手:井上 章
映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。