岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

人間の複雑さを丸ごと描いた女性映画の秀作

2022年09月22日

わたしは最悪。

© 2021 OSLO PICTURES - MK PRODUCTIONS - FILM I VÄST - SNOWGLOBE - B-Reel – ARTE FRANCE CINEMA

【出演】レナーテ・レインスヴェ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー、ハーバート・ノードラム
【監督】ヨアキム・トリアー

ヒロインの豊かで自然な感情表現が魅力的

「わたしは最悪。」は、人間の複雑な心理を複雑なままに描いたノルウェー映画の秀作。登場人物の心理を単純化し解りやすく描いた、共感しやすい娯楽作品も嫌いではないが、簡単に理解できない人間の複雑さを丸ごと描いた人間ドラマは面白い。

自分に正直に生きようとするヒロイン(ユリヤ)の人生が、リアルな日常描写をベースにし、彼女の幻想も取り込んで描かれる(昨年公開の「一秒先の彼女」にそっくりなシーンもある)。

ユリヤは、医者から心理学者、そして写真家へと、その時その時の心の赴くままに目指す職業を変えてゆく。そして、恋愛に於いても自分の心に正直に行動に移す。彼女の行動は、時として浅はかに見えたり自分勝手に見えたりするが、その決断の早さは羨ましくもある。

ヒロインの試行錯誤の恋愛と人生を、豊かで自然な感情表現で演じたレナーテ・レインスヴェが魅了的。彼女はカンヌ国際映画祭で女優賞を受賞している。

監督は、「母の残像」のヨアキム・トリア―。

語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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