岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

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英国君主エリザベス2世の素顔を見つめたドキュメンタリー

2022年08月01日

エリザベス 女王陛下の微笑み

©Elizabeth Productions Limited 2021

【出演】エリザベス2世、フィリップ王配、チャールズ皇太子、ウィリアム王子、ヘンリー王子、キャサリン妃、ジョージ王子、メ―ガン妃、ダイアナ元妃、ザ・ビートルズ、エルトン・ジョン、ダニエル・クレイグ、マリリン・モンロー、ウィンストン・チャーチル ほか
【監督】ロジャー・ミッシェル

いくつかの困難も乗り越えて 女王陛下もつらいよ

「世界で最も有名な女性」ーイギリスのエリザベス女王はそう呼ばれている。

1929年4月21日、エリザベスはヨーク公夫妻の長女として生まれた。

父のジョージ6世が即位したのは1936年。2011年に公開された『英国王のスピーチ』(トム・フーパー監督)は、吃音症に苦しんでいた英国王と、その治療にあたったオーストリア出身の言語療法士ラオネル・ローグの友情を描いた史実の映画化で、アカデミー賞では作品、監督、脚本、主演男優(コリン・ファース)賞を受賞した。そのジョージ6世が1952年に崩御。長女のエリザベスは女王に即位した。

『エリザベス 女王陛下の微笑み』は在位70年、96歳の英国君主エリザベス2世の90年に及ぶ、アーカイブ映像と様々なポートレートを組み合わせて構成されたドキュメンタリーである。

監督は『ノッティングヒルの恋人』(1999年)、『ブラックバード 家族が家族であるうちに』(2020/日本公開2021年)の名匠ロジャーミッチェル。新型コロナの蔓延より止まってしまった新作企画の隙間を埋める企画として提案されたものだという。女王陛下を題材に挙げるのには、あまたのドキュメンタリーが既に多数あり、試行錯誤が繰り返され、ありきたりの王室ドキュメンタリーにはしないという方針が決定された。

本編は20の章に分けられている。開幕、マーム、ビートルズの大英勲章第5位叙勲、ローマ市民、クローズアップ、自宅にて、馬上で、お祝い、慎重を要する職業、海上で、みんなの夢、ラブ・ストーリー、王冠の重み、マミー、ひざまずいて、ドイツ人をいじめないで、ひどい出来事、時は過ぎゆく、始まり、グッドナイト。擁護や否定の言葉やナレーションはなく、議論や安っぽい語り部のコメントも存在しない。

そこから浮かび上がるのは、彼女らしさに貫かれた女王の姿である。誰もが知っているのに、誰も見たことがない素顔のエリザベス。そこには作り手の熱い愛とリスペクトが溢れている。

(ロジャー・ミッチェル監督の冥福をお祈りする)

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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