岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

美しいモノクロ映像で切り取った擬似親子の物語

2022年06月20日

カモン カモン

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【出演】ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン、モリー・ウェブスター、ジャブーキー・ヤング=ホワイト
【監督】マイク・ミルズ

とんでもないと呆れていたのに 最後には泣かされた

アメリカ・ボストン、ラジオ・ジャーナリストのジョニー(ホアキン・フェニックス)は、取材に追われる忙しい日々を過ごしている。そこに、ちょっと訳ありで疎遠になっていた妹のヴィヴ(ギャビー・ホフマン)から電話があり、9歳の息子ジェシー(ウディ・ノーマン)の面倒を数日間見てくれないかと頼まれる。

L.A.にある妹と家を久々に訪ねる。幼かったころに会ったきり、甥っ子にはおぼろげな記憶でしかない伯父の存在。ぎこちない再会の時間。その後から、ふたりだけの生活が始まる。

ホアキン・フェニックスといえば、アカデミー賞で主演男優賞を受賞した『ジョーカー』(トッド・フィリップス監督/2019年)での、あの圧倒的な狂気の演技が記憶に新しいが、本作では、恐ろしき "子ども" という怪物と対峙しなければならなくなる大人を演じている。

噛み合わない会話、嫌われて避けられているのかと思えば、「一緒に寝てもいい?」と、ベッドに潜り込んでくる。気ままであくまでも穏やかな生活に慣れ親しんだ独身男には、9歳の子どもは怪獣でしかない。

とは言え、ジェシーは好奇心旺盛で、ジョニーが仕事で使う、録音機材に興味を示す。それをきっかけにふたりの距離は急速に接近していく。

そんな時、妹から、もう少し預かりを延長して欲しいと懇願される。仕事の日程もあるため、ジョニーはジェシーをニューヨークへ連れ帰ることになる。

N.Y.、取り扱い注意の怪物との共同生活は続く。職場に連れて行ったり、面と向かって、身体を寄せ合うように会話したりする。手を握る、ハグする、おんぶする。噛み合わないと思っていた、心や頭の中の感情が、次第に結ばれていることを互いに実感する。

子どもは自分の気持ちを表現することが上手くできない。でも、これは大人も同じ。世界は誰にも平等に不条理にできている。

劇中、ジョニーが子どもたちにインタビューするシーンが流れる。これは実際に取材した9歳から14歳までの子どもの "生の声" で、その言葉は強いメッセージとして観るものに届く。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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